サクランボのパラドックス  〜名君フリードリヒ2世の失敗〜

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◆1712年1月24日 フリードリヒ2世の誕生日

フリードリヒ2世は18世紀のプロイセンの王で、啓蒙君主の代表的存在とされる人物です。13世紀にも同じ名前のフリードリヒ2世という王が神聖ローマ帝国にいたのですが、これとは違う人物です。

啓蒙君主というのは啓蒙主義によって国を治めた君主ということであり、啓蒙主義というのは人間の理性を重視して、理性的・科学的に物事を考えようという主義のことです。つまり現代の政治の基礎を作ったのが啓蒙主義であり、啓蒙君主であったということで、その点でフリードリヒ2世は非常に重要な人物であるということです。

名君であっただけではなく、芸術にも学問にも秀で、ほとんど完璧な人物なフリードリヒさんですが、一方でこんなエピソードもあります。フリードリヒさんはサクランボが大好物でした。ある時、サクランボをスズメが食べてしまうのを見て、頭に来た彼は「国中のスズメを駆除してしまえ!」という命令をだしました。それでスズメは駆除されたのですが、それによってスズメを天敵としていた毛虫が大量に発生し、その被害によってサクランボが収穫できなくなってしまいました。

似たような話は20世紀にもあり、中国の毛沢東さんは大躍進政策の一環として、スズメを害鳥に指定して駆除するように命令しました。その結果、害虫が大量に発生して食料の生産が大幅に低下し、大飢饉を招いてしまいました。その飢饉による死者は中国全土で何千万人にも及んだと言われています。

人の知恵や理性はもちろん大切なものですが、それだけに頼って、神様の作った秩序、今日の例で言えば生態系を崩してしまえば、大変なしっぺ返しを食らうこともあるということです。人の知恵・理性は神様からの尊い贈り物ではありますが、それですべてを知ることはできないということです。

心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りに頼るな。あなたの行く道すべてにおいて、主を知れ。主があなたの進む道をまっすぐにされる。箴言3:5〜6

それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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