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◆311年12月3日 ディオクレティアヌス帝の没日
世界史の教科書に必ず登場するローマ皇帝のディオクレティアヌスはローマ帝国で最後となるキリスト教の大迫害を行なったことで有名です。この迫害のせいでなんとなく「悪役」のイメージがついてしまう人物ですが、皇帝としてはどちらかと言えば名君で、権力が分裂して混乱していた国内を再びまとめあげました。
キリスト教に対しても最初から迫害したわけではなく、ローマの神々と皇帝への崇拝をするならばキリスト教の信仰も認めるという立場をとっていました。しかしキリスト教徒は「崇拝するのは唯一の神だけである」と主張し、これに従わず、またキリスト教徒の兵士が軍から離脱するなどの事態も多発したために「もう怒ったぞこのやろ!迫害してやる!」と、キリスト教を禁止し、強制的な改宗、聖職者の投獄・処刑、聖書の焼却、教会の破壊などを行いました。
しかしキリスト教側もおとなしくしていたわけではなく、報復として宮殿に放火したりはしたそうです。
今の世界でも例えば中国では「キリスト教も認めるけど、教会には毛沢東の肖像も飾らなければならない」とか、かつての日本でも「キリストよりも天皇陛下を一番にしなければならない」とか、似たような政策が行われています。「何かを信奉する自由」だけを与えても「別の何かを信奉しない自由」もなければ「信仰の自由」とは言えないということです。
それではまた明日。

MARO 1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。 10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)2022年3月15日発売。