主の御名をあがめます。
今日もクリスチャンプレスをご覧いただきありがとうございます。
◆1632年11月24日 スピノザの誕生日
スピノザは17世紀の哲学者で、それまで「当たり前」とされていた「神」の在り方を根底からくつがえすような思想を発表しました。それでキリスト教会から怒られて100年もの間、その著書は表舞台から姿を消しましたが後に再評価され、カントやヘーゲル、さらにはマルクスなどにも影響を与えました。彼がいなければ世界は今とまったく違うものになっていたかもしれません。
彼の思想は「無神論」と攻撃されましたが、彼自身決して「神そのもの」は否定しませんでしたし、その思想の根拠となっていたのも聖書でした。しかし神を神学ではなく、哲学の枠組み(理性)によって検証しようとし(理神論)、その結果、神に人格はないのではないか、とか、神はあらゆるものの内に存在するのではないか(汎神論)、との考えに至り、それが教会の教義と異なるものだったので怒られてしまったわけです。この汎神論というのは「神即自然」と表現され、「あらゆるものに神が宿る」とする日本の神道に近い考え方です。
現在ではこのスピノザの流れにある教派も多々あります。「元祖リベラル神学」と言っても良いかもしれません。
それではまた明日。
主にありて。

MARO 1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。 10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)2022年3月15日発売。