【今日は何の日】1303年9月7日 アナーニ事件

主の御名をあがめます。

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◆1303年9月7日 アナーニ事件

1077年の「カノッサの屈辱」以来、皇帝の権力よりも教皇の権力が強い時代が続き、一時は「教皇は太陽、皇帝は月」とまで言われましたが、その勢力図が書き換えられたのがこのアナーニ事件です。

度重なる十字軍の失敗により、教皇の権力は次第に弱まりました。教皇ボニファティウス8世は教皇権を回復しようとしましたが、聖王ルイ9世の孫であったフランス王フィリップ4世は王権拡張主義を強く抱いており、両者は激しく対立しました。ついにフィリップ4世は軍をイタリアに進め、ボニファティウス8世はアナーニという街に逃げ込みましたが、そこで捕らえられてしまいました。すぐに救出はされましたが、この時の心労がたたって、まもなく命を落としてしまいました。

画像:wikicommons

さらにフィリップ4世は、この2代後の教皇クレメンス5世をアヴィニョンに移住させました。これは「アヴィニョン捕囚」とか「教皇のバビロン捕囚」と呼ばれ、教皇権に対する王権の優位の象徴的なできごとでした。そして歴史は絶対王政の時代へと流れていくことになります。

それではまた明日。
主にありて。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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