8月のキリスト教テレビ・ラジオ案内「こころの時代」「宗教の時間」

 

NHK教育テレビで5日(日)午前5時~6時、「こころの時代──宗教・人生」に日本基督教団・三木志染〔みきしじみ〕教会(兵庫県三木市、近藤泰男牧師)の牧師夫人、近藤紘子(こうこ)さん(73)が出演する。2017年1月8日に初回放送されたもののアンコール再放送。

近藤紘子さん(写真:ポール・サヴィーアーノ撮影

近藤さんが育ったのは、爆心地から800メートルのところにあった同教団・広島流川教会。1945年8月6日、まだ8カ月だった近藤さんはその牧師館で被爆した。父親の谷本清牧師は、被爆者の救済と平和運動に生涯をささげた人だった。近藤さんが10歳の時、原爆を落としたエノラゲイの操縦士と出会い、それまでの憎しみの思いが変えられていく。原爆という逃れられない運命を背負いながら、人と出会い、伝えられた言葉を糧に生きてきた近藤さん。思いが人から人へと伝えられることの重さとは。

同じ5日の午前8時30分~9時、NHKラジオ第2の「宗教の時間」では、アメリカの森林学者でクエーカー教徒のフロイド・シュモーを取り上げる。

シュモーは戦後間もない被爆地・広島に来て、家を失った人々のために住宅を建て続けた。第一次大戦中は良心的兵役拒否で重労働に従事し、第二次大戦中は、収容所に入れられた日系人の救済に尽力した。広島に原爆が落ちた時、その苦しみは自身のもの、自身がその罪を背負う者だと感じ、仲間と共に広島への真心を行動で示そうと志す。平和を願う彼の思いをたどる。話は「シュモーに学ぶ会」代表の西村宏子(にしむら・ひろこ)さん(60)。

再放送では、NHK教育テレビで4日(土)午後1時~2時、「こころの時代──宗教・人生」にノートルダム清心女子大学教授の山根道公(やまね・みちひろ)さん(58)が「母なる神への旅──遠藤周作『沈黙』から50年」と題して語る。遠藤が長崎を舞台にキリスト教弾圧時代の信仰を描いた小説『沈黙』は、刊行から50年以上が経った今も多くの人々に影響を与えている。宗教の対立が世界を揺るがす現代、神の存在、信仰のあり方とは(初回放送2016年11月27日)。

5日の午後6時30分~7時、NHKラジオ第2の「宗教の時間」では、基督教独立学園前校長の安積力也(あづみ・りきや)さん(74)が「自分を裏切らない言葉を求めて」と題して語る。人々が発する言葉が真実や真理から遠くなっているように感じられる今、教育に求められているものについて考える。教育者として若者の成長を見守ってきた安積さんは、青年たちの言葉が情報伝達のためのものに傾き、自らの内面を深く語る言葉が失われていると考える。戦時の反省をもとに、戦後、真理を探究する人間を育てることを目標に制定された教育基本法。同調圧力が強いとされる日本社会で真理を探究する人間を育てるには。

NHKラジオ第2「宗教の時間」では2018年度、シリーズ「物語としての旧約聖書」(全12回)を来年3月まで放送している。出演は月本昭男さん(上智大学特任教授・古代オリエント博物館館長)。8月は第5回「アブラハム──おそれとおののきのなかで」で、12日(日)午前8時30分~9時、再放送は19日(日)午後6時30分~7時。

「宗教の時間」で放送されたものは番組ホームページやNHKラジオ「らじる・らじる」で聴くことができる。「土の器──父・阪田寛夫のキリスト教」(内藤啓子さん)や「沖縄キリスト教の歩み(前編)」(一色哲さん)など。

 

雑賀 信行

雑賀 信行

カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。

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