南半球で過去最大級の自然災害、モザンビークのサイクロン被災者に緊急支援を

 

アフリカ大陸南東部にあるモザンビークを3月14日、熱帯サイクロン「アイダイ(Iidai)」が直撃し、過去最大規模の被害が出ている。モザンビークの東、内陸部にあるマラウイやジンバブエなども合わせて700人以上が死亡した。

(写真:ハンガーゼロ提供)

特にサイクロンが上陸した第2の港湾都市ベイラでは、風速40メートルの暴風と河川の氾濫により、大多数の人々が家を失った。また、道路は寸断され、水道や電気、通信設備も壊滅状態だ。

河川の氾濫で被害を受けた耕作地は120万エーカーとされ、農家への経済的打撃に加え、地域の食料不足も懸念されている。

(写真:ハンガーゼロ提供)

被災者の多くは汚れた水の使用を余儀なくされているという。また、衛生施設の損傷により、コレラなどの感染症も出ている。モザンビークの保健省は1日、サイクロン被災地でのコレラ感染者数が少なくとも1052人に達したと発表した。

国連は、南半球で過去最大級の自然災害として、被災者は170万人にも及ぶとの緊急声明を出した。

(写真:ハンガーゼロ提供)

モザンビークは、日本の約2倍の広さに約3000万人が暮らす。約40%がキリスト教を信じており、ポルトガルによる宣教のため、おもにカトリックだが、メソジストや英国国教会などのプロテスタントもいる。あとはイスラム教(約20%)や伝統宗教となっている。織田信長の家来だった黒人の弥助はモザンビーク出身で、ポルトガルの船で連れてこられた。

キリスト教精神に基づいて開発援助・緊急人道支援などを行う国際NGO、ワールド・ビジョンによると、支援活動を指揮する現地の緊急支援ディレクター、ジョセフ・カマラさんは次のように語る。

「サイクロンが上陸したモザンビークのリベア市に到着した我々の同僚によると、現地ではほとんどの建物が破壊、もしくは損傷していることが分かりました。交通手段は船か飛行機のみで、人々は疲れており、食料を探すことさえ難しい状況です。

サイクロンと洪水によって家や農地が流されたばかりでなく、愛する家族から引き裂かれてしまった子どもたちも多くいます。彼らは、食べ物を手に入れることもできず、命の危険にさらされています。子どもたちが心配です」

ワールド・ビジョン・ジャパンは、ホームページから緊急人道支援募金を受け付けている。

(写真:ハンガーゼロ提供)

また、同じくキリスト教精神に基づいて活動する国際NGOのハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)は、現地の国際飢餓対策機構モザンビークを通じて被災者緊急支援を行っている。

元モザンビーク駐在員のローレンス綾子さんは、現地のキリスト教会の状況についてこう語る。

「ベイラの教会の90%以上が全壊、または半壊。その中で人々が希望を失わないよう、牧師たちのネットワークが動き出しています」

ハンガーゼロでは、モザンビークの被災者緊急支援を呼びかけている。

【緊急支援募金の送金方法】
緊急募金は、郵便振替またはホームページから直接クレジットカード決済が利用できる。

▽郵便振替 00170・9・68590、日本国際飢餓対策機構(記入欄に必ず「モザンビークサイクロン」と明記)

「モザンビーク・サイクロン緊急支援チャリティー・コンサート」(ハンガーゼロ主催)が4月19日午後7時から、大阪市中央区玉造の大阪クリスチャンセンターOCCホールで開かれる。ハンガーゼロから緊急アピールと活動報告がある。出演者は小堀英郎(ピアノ)、ソン・ソルナム(フルート)、HA!MAN(チェロ)。問い合わせTel 072・920・2225(大阪事務所)。

教皇庁に本部があるカトリックの社会活動、救援活動団体である「カリタス」も、ベイラで食糧援助を配給しており、ホームページから募金できる。

 






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