【信教の自由を守る日】 宮城・「命の水」守る運動から自治意識の向上へ

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「信教の自由を守る日」を迎えた2月11日。今年もコロナ禍の収束が見通せない中、オンラインや人数制限などによる感染予防に配慮しつつ、各地で集会が催された。

宮城県仙台市では、第48回「2・11信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会」が昨年に引き続きオンラインで開催された(靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議主催)。今回は、「建国記念の日」の問題を、地域社会の視点からとらえ直そうとの趣旨から、同県の水道民営化問題に長く取り組んできた弁護士の佐久間敬子氏(命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ共同代表)が講師に招かれた。

「私たちの平和:水道民営化問題から見えてくるもの――人権・自治の原点としての『水』」と題して講演した佐久間氏は、「みやぎ 型」の水道民営化が今年4月から始まる背景として、公共サービスの縮小と大幅な規制緩和、市場原理主義の重視を特徴とする新自由主義 的思想があると指摘。2000年以降の民営化による失政、再公営化した世界の事例を紹介しながら、共通の問題点として「料金の値上 げ」「水質悪化」「専門職員不在による技術力の低下」などを挙げ、「大幅なコスト削減で安全・安心な水道事業は維持できるか」と疑問を呈した。

その上で、解決策は「人権と自治と国際連帯」にあるとし、国に「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上、増進に努める義務」があるとする憲法25条、公衆衛生の向上、生活環境の改善のため「都道府県に必要な技術的、財政的な支援を行う義務」があるとする水道法に基づき、「水の享受は人権である」「命の水の担い手、守り手は地域住民しかいない」との意識を高め、地域社会の資源を守る運動から自治意識の向上へとつなげる再公営化への道筋を提起した。

主催した靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議には、信仰、教派を超えて50の団体が加盟している。

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