ニューヨークYMCAがキャンプ場3カ所売却へ

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米紙ニューヨーク・タイムズは3月8日付で、「グレーターニューヨークYMCA」が、1918年から運営してきた同市北郊のユグノー地域にあるキャンプ場、タルコット、マカリスター、グリーンキルの3カ所を売却する、と報じた。YMCAの広報担当者は「資金源のスポーツジムがコロナ下で閉鎖され、半分を超すスタッフ2000人を解雇しても1億ドル(約100億円)の歳入不足に陥る」、「キャンプ場売却は苦渋の決断だった」と話している。売却を知らなかった関係者は、事前に相談もなかったことに衝撃を受けている。

夏のキャンプには、毎年約1200人の子どもたちが参加していた。その60%はニューヨーク市在住。70%が有色人種だった。このキャンプでカウンセラーを務めたこともある記録映画作者のジョン・ブロックさん(69)は「公民権問題と捉えている。マイノリティー・コミュニティーが深刻な打撃を受けている例の一つだ」と指摘する。売却額は500万ドル(約5億円)を予想しているが、最終決定には至っていない。夏のキャンプに引き続き使用することを条件とすると買い手探しも容易ではない。

売却を惜しむ声が続々と寄せられている。サウスブロンクス地区で暮らしていたフン・エスコバーさんは当時12歳。喘息に悩まされ、盗難やいじめにおびえ、食事に事欠くこともあった。YMCAのキャンプが唯一の憩いの場だった。新鮮な空気、健康的な食事、銃弾を避ける必要もなく、自信を取り戻した。現在29歳のエスコバーさんは警察官として活躍している。「キャンプは私の家だった。生まれて6カ月の息子にも行ってもらいたかったのに残念」という。(CJC)

 






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