12月29日 ルカ2章29〜30節

主よ、今こそあなたは、お言葉どおり、この僕を安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目であなたの救いを見たからです
ルカ2章29〜30節(参照箇所同書2:25〜35)

シメオンは信仰深く霊の人でありました。死を眼前にして、幼子を腕に抱きヌンクディミティスといわれる有名な祈りの賛歌を捧げます。ヌンクディミティスとは、ラテン語で「今、去らせてください」という意味があります。シメオンにとって、幼子はこれからの成長を楽しむ子どもとして目に映っていたのではありません。「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり、この僕を安らかに去らせてくださいます」とは、送ってきた人生が終わりを告げようとしているこの時、一切を引受けてくださるお方がおいでになるので、安んじてこの世を去ることができると告白しているのです。

しかも彼は、「あなたの救いを見た」と言います。よく分かったとは言っていないのです。彼は、腕に幼子の体を抱き、その姿を見て、「救いを見た」と告白することは、極めて礼典的というべきです。

教会では、説教は見えない神の言葉、聖礼典は見える神の言葉と言われます。教会は、この二つを神の言葉を伝える恵みの手段としました。知性でなく、体で知る信仰の世界を聖礼典は備えています。年を取り死を間近にした今、シメオンはあらためて、礼典的な信仰の世界の必要を教えているかのようです。

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