11月21日 テモテへの手紙二4章2節

御言葉を宣べ伝えなさい。折りが良くても悪くても励みなさい。
テモテへの手紙二4章2節(参照箇所同書4:1〜5)

 

コヘレトの言葉3章1節には、「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」とあります。伝道集会ひとつを取ってみても、秋がよいか、春がよいかと考えて計画を立てます。それこそ何事にも時があると思い込んでいる証拠のようなものです。

しかし、あらためてこのテモテへの手紙を読めば、神の言葉を今日はよいが明日は悪いと時を優先しているようなものだと気付かされます。イザヤ書55章10節には「雨も雪も、ひとたび天から降れば、むなしく天に戻ることはない」とあります。雨も雪も都合のよい時を選んで降ることはありません。しかし「種蒔く人には種を与え、食べる人には糧を与える」(同節)ものです。

一旦語られれば、むなしくは戻らない、神の言葉への信頼を取り戻すことを教える言葉をここに発見したいものです。その上で、折りがよくても悪くても、この「わたし」に語れた神の言葉が、「わたし」の中で何を起こしたかを考える時でもありましょう。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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