1月28日 見よ、世の罪を取り除く神の小羊。  ヨハネ1章29節

見よ、世の罪を取り除く神の小羊。
 ヨハネ1章29節(参考聖書箇所同書1章29〜34節)

 洗礼者ヨハネが、ヨルダン川で群衆に洗礼を授けているとき、主イエスがおいでになるのを見て言った言葉です。ヨハネは、このお方を見て、過ぎ越しの羊の血によって自由へと解放された出エジプトの出来事(出エジプト十二章)を思い起させようとしているのです。
この信仰は旧約においては過ぎ越しの食事に受け継がれ、新約に至ってイエス御自身が贖いの小羊であることが最後の晩餐において明らかにされます。主は言われました。「これはあなたがたのために与えられるわたしの体。あなたがたのために流されるわたしの血」(ルカ二十二章十九節以下)であると。その時、主の晩餐の食卓に屠られた子羊はなく、主御自身が子羊でありました。
この信仰をわたしたちは聖餐式に受け継いでいます。礼拝式文を用いる教会では、聖餐式の中で、パン裂きの前に、このヨハネの言葉「世の罪を取り除く神の小羊」(アニュス・デイ)が歌われます。そのことを通し、罪のために死ぬべきわたしに代わって、死んでくださった小羊であるキリストを信じる信仰こそ、キリスト教信仰の根幹であることを確認するのです。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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