家はたまたま偶然にそこにあるもの?【聖書からよもやま話537】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 新約聖書、ヘブル人への手紙の3章です。よろしくどうぞ。

ヘブル人への手紙 3章4節

家はそれぞれだれかが建てるのですが、すべてのものを造られたのは神です。

(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

あたりまえのことですが、家というのは誰かが建てるものです。長い時間を経て、様々な偶然が積み重なってそこに家が現れるということはありません。木がたまたま雷やら風やらの力によって角材になり、それがまたたまたま風やら何やらの力によって家になったのだ、なんて言っても誰も信じないことでしょう。家は設計士さんによって設計され、大工さんや左官屋さんや、たくさんの職人さんの手によって建てられるものです。

しかし家がたまたまそこに建ったというのは信じられないのに、それよりもはるかに大きくて複雑なこの世界については、長い時間を経て、様々な偶然が積み重なってここに現れている、ということを信じている人が世にはたくさんいます。家よりは小さくても、家よりもはるかに複雑な人間そのものについては、長い時間を経て、様々な偶然が積み重なってここにいるのだ、と信じている人がたくさんいます。いわゆる進化論というやつです。

人間は、自分たちの手で作れるものについては、「それが偶然の産物だ」と言われても信じないのですが、自分たちの手で作れないものについては、「それが偶然の産物だ」と言われるとそれで納得してしまいます。「偶然」ってそれほどまでに万能なものでしょうか。まるで偶然を神とするかのようです。

進化論を学んでみれば、そこにはあまりに多くの不明点や矛盾点があることがわかります。そして進化の根源となる生命の起源についてはほぼ何も分かっていないと言ってもいいくらいです。

ただ一つ間違いのないことは、「ここに家がある」「ここに私がいる」ということです。
それが偶然の重なりでできたものであっても、誰かが設計して誰かの手で作られたものであっても、その事実は変わりません。そしてその家の「あたたかさ」も変わりません。どうせそうであるのなら、僕は「この家は偶然によってできたのだ」と思うよりも、「この家は誰かがあたたかい思いをもって建ててくれたのだ」と思う方が幸せです。偶然に対しては感謝の心は生まれませんが、誰かが建てたと思えばそこに感謝が生まれます。感謝というのはされる側だけが幸せなものではなく、する側だって同じくらいに幸せなものです。

そんなわけで僕は、「自分が今ここにいる」という事実が変わらないのなら、自分を「お前なんか偶然の産物であって意味なんてないんだ」なんてひどいことを言う進化論よりも、「君はちゃんと設計されて、意味をもってつくられたんだよ」と言ってくれる聖書を頼りに生きたいと思うんです。どうせわからないことばかりなら、幸せな方を選んだ方が幸せじゃないですか。どうせわからないことばかりなのに、わざわざ不幸な説を選んでしまったら人生がもったいない。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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