人間の望む「神様」なんていません【聖書からよもやま話467】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、伝道者の書の9章です。よろしくどうぞ。

伝道者の書 9章2節

すべてのことは、すべての人に同じように起こる。
同じ結末が、
正しい人にも、悪しき者にも、
善人にも、きよい人にも、汚れた人にも、
いけにえを献げるひとにも、
いけにえを献げない人にも来る。
善人にも、罪人にも同様で、
誓う者にも、誓うのを恐れる者にも同様だ。

(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

早いもので今日から二月。あの能登の震災から一ヶ月が経ちました。あの日、僕は実家でのんびりとお正月を過ごしていたのですが、突然訪れた災害に「神様なんでこんなことをするんですか」と思いました。一緒にいた叔父さんはクリスチャンではありませんが思わず「神も仏もないな」と言いました。僕はそこで「いやいや叔父さん、神様はいるんだよ」なんて言えませんでしたし、言おうとも思いませんでした。だって、あの状況、そして今もまだ続く状況を見れば、そんな気持ちになることは誰にも否定できませんから。クリスチャンである僕だって「神様なんでこんなことをするんですか」と思ったんですから。

僕たち人間はつい神様に対して「善人には良いことを、悪人には悪いことを与えて欲しい」と願ってしまいます。そしてその願いと違うことが起こると「やっぱり神様なんていないんだ」と思ってしまいます。その意味で、確かに僕たち人間が望む「神様」はいないのだと思います。それは人間の願いが作り上げた「神様」であって、本当の神様ではありません。

では本当の神様はどんな方なのかと言えば、今日の聖書に書いてある通り、善人にも罪人にも、良いことも悪いことも与える方です。地震や災害は悪い人にだけ起こるわけではありません。一方で太陽の光や大地の恵みも、良い人にだけ与えられるわけではありません。

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UnsplashAnnie Sprattが撮影した写真

一部のクリスチャンが(本当にごく一部ですが)、この震災をみて「日本は偶像礼拝の国だから裁きが与えられた!」というようなことを言って「だから神様を信じるべきだ」と主張したりしていますが、そんなわけで僕はそれは明らかに違うと思います。この震災は神様からの「罰」ではありません。だって能登にだってクリスチャンはいたはずですし、いわゆるキリスト教国と言われる国にだって、災害は起こるのですから。その一部の方々はむしろ、自分たちの望む「神様」を作り上げてしまっているように見えます。「信じること」あるいは「信じさせること」によって神様をコントロールしようとしているように見えます。神様のなされることというのは人の目で「こうだからこうなった」なんて説明できるものではありません。災害や、人の難局にかこつけて「それ悔い改めろ」と伝道をしようという姿勢には僕は賛同できません。それは伝道にならないばかりか、難局にある人たちをむしろ傷つけるばかりです。

僕たちクリスチャンが震災に苦しんでいる人たちにかけるべき言葉は「神様を信じましょう」ではなく、「何が必要ですか?できることはありませんか?」や、あるいは何も言わずに背中をさするようなことかと思います。それは災害に限らず、あらゆる試練や難局の中にある人に対しても同じです。確かに僕たちクリスチャンはイエス様から「福音を伝える・広める」というミッションを与えられています。しかしそれは苦しむ人に闇雲に「信じましょう」と言うことよりも、人の苦しみに寄り添うことによって、達成されるものなのではないかと思います。

転んでしまった友達に「○○だから転んだんだ。次からはこうすれば転ばないんだからそうするようにしなさい」なんて言うよりも、まず必要なのは手を差し伸べてその友達を起こしてあげることです。そこにこそ愛がありますし、僕たちが伝えるべき福音は即ち愛なんですから、それをまずすべきです。

神様の恵みを、自分の体と心に乗せる。自分を神様の乗り物にするような行動が少しでもできればと願います。とはいえそれはとても難しいことです。僕にもなかなかできません。でもだからこそ、ほんの少しずつでも。

 

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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