主の御名をあがめます。
皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。
聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、エステル記の2章です。よろしくどうぞ。
エステル記 2章20節
エステルは、モルデカイが彼女に命じていたように、自分の生まれも自分の民族も明かしていなかった。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)
エステルはペルシャ王クセルクセスの妃になりましたが、自分の生まれと民族について隠していました。それはエステルがイスラエル民族だったからです。おそらくペルシャにおいてイスラエル民族は何かしら差別的な風評を受けていたのでしょう。今の日本でも自身の出自や民族について隠している人は少なからず存在します。それもまた、民族を明かすと何らかの不利益を受けてしまう恐れがあるからかと思います。そういう人は日本に限らず、世界中の多くの国で少なからず存在します。民族による偏見や風評というのは、民族を問わず人類が抱えた大きな課題かと思います。
ただ実は、そのようなマイノリティな民族に限らず、多くの人が同じようなことをしながら、あるいはせざるを得ない状況に置かれながら、生きています。ほとんどすべての人が、と言っても差し支えないかと思います。と、いうのも自分の属性や性質のすべてを開けっ広げにして生きることは、誰にとっても難しいからです。誰もが自分についての何かを隠しながら生きています。
それはたとえば学生さんならば「隣のクラスの○○さんが好き」ということかもしれません。「〇〇さんが好き」ということは何も悪いことではないのに、それを大っぴらにしてしまうと、からかわれたり余計なお節介を焼かれたり、そういう風評や不利益を受けてしまう可能性があるから、それを隠して生活します。
社会人なら多くの人が自分の年収はあまり大っぴらにはしませんし、他の人の年収についても特に必要のない限りは聞かないというのが暗黙の了解になっています。年収が多くても少なくても、別に何も悪いことではないのに。これも、年収が少なければ「この人は仕事ができないのかも」という風評を受けてしまうかもしれませんし、年収が多ければ嫉妬の対象になってしまうかもしれませんから、やっぱり不利益を受けないために、隠していきるわけです。
持病を隠して生きる人もいます。家庭の問題を隠して生きる人もいます。「実はあの人が苦手・・・」ということを隠している人もいます。好きなアイドルやアニメを隠して生きる人もいます。お酒を飲むことやタバコを吸うことを隠して生きる人もいます。実は家の中では「裸族」であることを隠している人もいます。ジェンダーを隠して生きる人もいます。支持政党を隠して生きる人もいます。クリスチャンであることを隠して生きているクリスチャンもいます。その他、数え上げればいくらでもありますが、みんな誰しも何かを隠しながら生きています。何も悪いことではないのに。(もちろん犯罪行為はダメですよ。それを隠すのもダメですけど)
人間って罪深いなと思います。いえ、隠すことが罪だと言っているわけではありません。そうではなくて、隠さなくてはいけないほど人間社会は、本来は何も悪くないことについて偏見を持ち、風評を立て、不利益を被らせるものなのだなと、その点についてすごく人間は罪深いなと思います。
何かを隠すことに、そんなわけで人間は慣れてしまっているんですが、それでも何かを隠すことって人間にはストレスです。隠せば隠すほど、何かしら「ガス」のようなものが溜まるものです。でも神様に対しては隠さなくていいんです。いえ、何も隠せないんです。すべてを知っていらっしゃる方ですからね。ですから神様には祈りとしてすべてぶちまけてしまって良いんです。ぶちまけた方が良いんです。
そして、いずれ来る神の国では、きっと僕たちもお互いに何も隠さずに生きることができるようになるんでしょう。楽しみです。
ちなみに僕はクリスチャンでありながら、聖飢魔IIとかマリリン・マンソンとか「悪魔的な」音楽が好きです。一応隠してます。もうここに書いたら隠れてないですけど。「そんなの聴いたらダメだ」って怒られるかもしれないですけど、だって好きなものは好きなんですもの!ちょっとスッキリ。
それではまた。
主にありて。
MAROでした。
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