木があれば実はなる。〜「まず行動!」はどうして危険か〜【聖書からよもやま話343】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、創世記の15章です。よろしくどうぞ。

創世記 15章6節

アブラムは主を信じた。それで、それが彼の義と認められた。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

信じるだけで救われるなんて、キリスト教は都合が良すぎるよ!なんて声を時々聞きます。救われるには自分の努力、行動が必要なはずだ、と思っている方が多いのだと思います。

でも、ただ「信じる」というのは意外と難しいことです。むしろ「半信半疑だけどとりあえず行動してみよう」というケースの方が、現代社会では多いように見えます。色々な自己啓発本か何かで「考えるよりまず行動!」なんて言われていますしね。ちゃんと信じないままに行動せざるを得ないことが、情報過多なこの時代、増えているように思います。ブレずに何かを堅く信じて歩む人の方が少数派です。

キリスト教でも「行動なんて不要だ」と言っているわけではありません。「信じれば自ずと後から行動はついてくるでしょ?」というスタンスなんです。木が育てば自ずと実がなるように、「信じる」という木が育てば自ずと「行動」という実がなるでしょう?ということです。木を育てずに実だけを求めるのは無理なことです。「信じる」という木があるところに、「行動」という実は約束されているんです。木が元気なら、嫌でも実はなるんです。
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ビジネスの世界でも、仕事をする前には契約をします。もちろんケースによっては仕事をしてから契約、なんてこともなくはありませんが、原則としては契約をしてから仕事にかかります。契約というのは「あなたを信じますし、私はあなたを裏切りませんよ」という宣言と言い換えることができます。つまりビジネスも実は「信じる」→「行動」という順番で行われているんです。この順番が入れ替わってしまうと、後から色々なトラブルが生じたりもしますし、仕事自体が無駄になってしまうこともあります。

ですから神様も僕たちにまず「信じる」を求めるんです。それに、僕たち人間だって誰かから「あなたを信用しています」「君を信じています」と言われたら嬉しいものです。そう言われただけでこちらも相手を信じたくなりますし、好感度も上がります。それだけで「何か仕事をお願いしちゃおうかな」なんて気持ちになります。反対にいくら仕事のできる相手であっても「あなたのことはイマイチ信用していません」なんて人とは一緒に仕事はしたくないものです。少なくとも気持ちいい仕事はできません。

と、考えると何事も「信じる」→「行動」の順番が大切なのだとわかります。社会生活においては「契約」→「仕事」とか、「結婚」→「生活」とか、やはり同じフォーマットが物事をスムーズに進めるには大切なんだと思います。これを入れ替えてしまうと、様々な形での破綻の可能性がグッと上がってしまうんです。

クリスチャンにとって大切なのは「まず行動!」ではなく、「まず信じる!」です。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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