WCC 日本被団協のノーベル平和賞受賞で特集記事

世界教会協議会(WCC)は12月19日、公式サイトで日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことに関する特集記事を掲載した。以下は、エキュメニカル・ニュース・ジャパンによる翻訳記事。


日本被団協がノーベル平和賞を受賞、核の脅威に対する緊急の対策を要求

ノーベル平和賞受賞者の日本被団協はオスロで行った講演で、すべての政府に対し、自分たちの話を行動の呼びかけと受け止め、核兵器を正当化するいかなる活動も直ちに排除するよう求めた。

13歳の時に長崎で米国の原爆投下を生き残った人であり、日本被団協の共同代表である田中熙巳氏は、原爆被爆者の歴史的な草の根運動を代表してノーベル講演を行った。受賞に際し、田中氏は「核兵器の保有と使用を前提とする核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いであります」と述べた。

日本被団協は、被爆者の「核兵器のない世界を実現するためのたゆまぬ努力と、目撃証言を通じて核兵器が二度と使用されてはならないことを実証したこと」に対してノーベル平和賞を受賞した。

ノーベル委員会は、賞を授与する際に次のように述べた。「私たち全員に、被爆者の使命を果たす義務があります。彼らの道徳的指針は私たちの遺産です。今度は私たちの番です。軍縮の取り組みには、国民の粘り強い訴えと継続的な圧力が必要です。」

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の事務局長であるメリッサ・パーク氏は、このスピーチを称賛した。「田中氏が、米国が原爆を投下した際に家族と街に及ぼした恐ろしい影響について語るのを聞くと、世界の指導者たちは、日本被団協の被爆者を受賞したことを単に祝福するだけでは不十分だと確信するはずです」と彼女は述べた。 「被爆者が長年訴えてきたこと、つまり核兵器の早急な廃絶を実行することで、被爆者を称えなければなりません」

彼女はさらに、核兵器がどこかに残っている限り、意図的であろうと偶然であろうと、いつかは使用される運命にあると述べた。「国連の核兵器禁止条約に加盟することは、核兵器の廃絶と私たち全員にとってより安全な世界への道筋となります」と彼女は述べた。

世界教会協議会(WCC)は、日本被団協のノーベル平和賞受賞を歓迎した。WCCとその加盟教会は、1948年の設立総会で核兵器による戦争の可能性を「神に対する罪であり、人間の堕落」と表現して以来、核兵器に反対の声を上げてきた。WCCは、その統治機関、機能委員会、加盟教会を通じて、核兵器の完全廃絶を訴え続けている。

WCC国際問題に関する教会委員会の担当部長であるピーター・プルーブ氏は、WCC は核兵器の脅威を世界から排除するためのあらゆる取り組みを今後も支援していくと改めて述べた。

「私たちは日本被団協を祝福し、世界中の教会がすべての政府に核兵器禁止条約に署名・批准し、核兵器実験が行われた人々と土地に核の正義と環境修復を提供するよう呼びかける取り組みを今後も支援していきます」とプルーブ氏は述べた。「これらの兵器には安全はなく、存在し続ける限り、永久に不安が残るだけです」

(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)

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