東洋英和女学院(東京都港区)は4月13日、小学部講堂で全学院新年度礼拝を行い、幼稚園、小学部、中高部、大学・大学院、法人事務局の教職員約160人が出席した。
今年度新たに学院宗教部長に就任した伊勢田奈緒(いせだ・なお)氏が「主のために」と題して説教を行った。
伊勢田氏は3月まで、同じカナダ・メソジスト婦人伝道会を開学のルーツとする静岡英和学院大学の宗教主任、人間社会学部教授を務め、キリスト教学の講義を担当していた。日本基督教団牧師。2000年、ジョン・ノックス研究のためスコットランドのセント・アンドリュース大学大学院宗教改革研究で学んだ。著書に『ヨハネス・ブーゲンハーゲン──もうひとりの宗教改革者』(日本評論社)がある。
礼拝後に小学部食堂で行われた新任教職員歓迎会では、理事長の大宮溥(おおみや・ひろし)氏と院長の深井智朗(ふかい・ともあき)氏による挨拶の後、新任者の紹介・挨拶があり、親睦を深めた。
理事長の大宮氏は1933年、香川県生まれ。66年に東京神学大学博士課程を修了(神学博士)。現在、日本聖書協会理事長。その他、東京神学大学理事、敬和学園理事長、明治学院理事・評議員を歴任。
同学院では、85年から評議員、87年から理事、2007年から常務理事を務め、16年、水澤郁夫氏の後を引き継いで理事長に就任した。第2代校主の平岩愃保(ひらいわ・よしやす)、第8代理事長の大村勇(おおむら・いさむ)も同じ阿佐ヶ谷教会(旧日本メソジスト教会)牧師だった。5月26日、任期満了に伴い、増渕稔氏に交代した。
院長の深井氏は1964年生まれ。89年、東京神学大学大学院修士課程修了後、92年からアウクスブルク、ミュンヘンで哲学、社会学、神学を修め、96年、アウクスブルク大学哲学・社会学部で哲学博士。2005年、京都大学文学博士。96年から2012年まで聖学院大学教授、16年まで金城学院大学教授、同年4月から東洋英和女学院大学人間科学部教授。昨年10月、深町正信氏の後を引き継いで第33代院長に就任した。
東洋英和女学院は、カナダ・メソジスト教会(現在のカナダ合同教会)婦人伝道会から派遣された宣教師マーサ・J・カートメル(1845~1945)により1884年、麻布鳥居坂に設立された。2014年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」で私立修和女学校のモデルとなり、創設当時のことが描かれたことでも有名だ。創設以来、「敬神奉仕」という建学の精神のもと、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」(マルコ12:30)、「隣人を自分のように愛しなさい」(同31節)とのイエスの言葉を掲げ、毎日の礼拝と教育全体を通じて、キリスト教教育を行ってきた。開校時の生徒は2人だったが、現在では、幼稚園から大学・大学院まで約4300人もが集う大きな学院へと発展している。