【インタビュー】制服姿は信頼の証し 救世軍司令官ケネス・メイナーさんに聞く(後編)

前編を読む)

──日本では「軍」という言葉や制服姿に抵抗を感じる人も多いようですが、海外ではいかがですか。

米国や英国では、軍隊に対してポジティブなイメージを持っている人が多いかもしれませんね。

日本の方に制服姿がネガティブなイメージを与えてしまうのだとしたら、何のためにこのスタイルで活動をしているのか、分かりやすく伝える必要があるということは常に感じています。米国ではソーシャル・メディアを通して、「私たちはキリストの兵士であり、憐れみと優しさを届ける軍隊です」と積極的に発信しています。「この制服を身に着けている人には必ず頼ることができる」という意味もあるんですよ。

救世軍司令官ケネス・メイナーさん

以前、日本のテレビ番組で、米国の救世軍が始めた「ドーナツの日」について取材を受けたことがあります。これは、第一次世界大戦で傷つき疲れきっていた兵士たちに救世軍の女性たちがドーナツを配ってあげたところ、兵士たちがわが家の味を思い出し、癒やされたというエピソードから始まった日です。米国では毎年6月の第1金曜日がドーナツの記念日なんですよ。こんなふうに救世軍のことを知っていただく機会があるのはありがたいですね。

また時々、この制服を着ているだけで、「救世軍の働きのために使ってください」と献金をいただいたり、悩み事を相談してくださったりすることがあります。まったく存じ上げない方がこの制服に信頼を置いてくださっているのはすごい力だと感じています。それが「時々」ではなく「たびたび」になるよう、門戸を広げていきたいですね。

──山室軍平を描いた映画「地の塩」では、ケネスさんも救世軍の司令官役として出演されていました。

映画への出演は私にとっても学びの時間でした。もちろん、山室軍平という名前やその活動については、米国にいる時から知っていましたが、あくまでも表面的なことだけです。改めて山室軍平や機恵子夫人の人生の深い部分と、彼らがいかにキリストを愛していたかを知ることができました。

司令官室には1枚の写真が飾られています。1907年に救世軍の創立者ウィリアム・ブースが初めて来日した際の写真で、その中に山室も写っています。日本で救世軍を始めるために英国から士官たちが派遣されたことは事実ですが、もしも山室が信仰を持って立ち上がらなかったら、ブースは来日しなかったかもしれませんね。

赤く囲んでいるのが山室軍平

──クリスチャン人口が約1%である日本に対して、特別な思いはありますか。

日本を見るとき、教会が小さいとか、クリスチャンが少ないと思うことはありません。ただ、多くの人が眠ってしまっているのだと思います。

「死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです」(ローマ8:38~39)と聖書にはあります。日本のすべてのクリスチャンがこの御言葉から確信をいただくことができれば、日本に素晴らしいリバイバルが必ず起きると信じています。

──日本で期待していることは?

各地の小隊で開かれているクッキングや英語などのクラスを通して、「みなさんの居場所がここにありますよ」ということを、特に若い世代に伝えたいですね。また、本営前にある広報スペース「ゴスペルハウス」の改装工事が年末には完成する予定です。より地域に開かれた場所として、イエス様の愛を伝えていけたらと思っています。

踏み絵

司令官の部屋には何十年も前から、踏み絵が飾られています。かつて、イエス様を信じていた大勢の方が、その信仰のために命を落としました。毎朝、オフィスに来て、先ほどの写真と踏み絵を見るたびに、偉大なる神様の力と、その力はいつも人を通して現されることを思い起こします。そして、日本でも信仰を持ち、信仰者が成長していくことには希望があると思うのです。

 






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