建築家の磯崎新(いそざき・あらた)氏(87)に「建築のノーベル賞」と呼ばれる米プリツカー賞が授与されることを選考委員会が5日(日本時間6日)、発表した。磯崎氏は1989年、福音派・超教派の4年生神学大学である東京基督教大学(千葉県印西市、山口陽一学長)のチャペルを設計している。
同大のチャペルは、キャンパスの中庭の中心に配置され、400人収容の礼拝堂は、二つのドーム屋根と、エントランス・ホールの小ドームを併せ持つ建物。不完全なドームが組み合わされて作られた独特なデザインは、「神のことば」を中心に置くことをコンセプトとしている。チャペルの中心をあえて据えず、不完全な球体のドームを組み合わせることで不完全な世界を表現し、そこで完全な「神のことば」が語られることが示されているという。内部は、アーチによって切り取られた開口部からの均質な光に満たされている。正面の塔は鐘楼だ。
見学希望者は、本部棟事務局に問い合わせを(電話:0476・46・1131、平日9:00~16:45、土日祝日休み)。
日本人のプリツカー賞受賞は、丹下健三や安藤忠雄、坂茂らに続いて8人目となる。