上智大学(東京都千代田区)と関西学院大学(兵庫県西宮市)は20日、「キリスト教の精神をもとに、国際性の高い教育研究を展開し、隣人・社会・世界に貢献する」ため、連携包括協定を結んだ。
上智大はカトリックのイエズス会、関学大はプロテスタント・メソジストの宣教師のウォルター・R・ランバスによってそれぞれ創設されたキリスト教主義学校。
協定内容は次のとおり。
①学部学生の「国内学生交換」の実施
②留学生の相互交流
③教育・研究に関わる交流
④職員交流
⑤学生の国際ボランティアの共同実施
⑥東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会成功に向けての協力
上智大四谷キャンパスで記者会見した同大の曄道佳明(てるみち・よしあき)学長は次のように話した。
「これから社会のグローバル化が進み、産業革命も起こってくる中で、大学は大きな試練、あるいは、我々がチャレンジをしなければならない時代に差しかかってくる。そこに強いパートナーがいるということは、これからの大学の一つのあり方として、モデルを示すことができるのではないか」
一方、関学大の村田治(むらた・おさむ)学長は、こう抱負を語る。
「これから、東京と関西の大学、その他の地方の大学とのこうした協定は、どんどん活発化していく可能性がある。両大学は、スーパーグローバル大学に採択されている。そういう意味では、グローバル化を進め、キリスト教を基本とした教育を行う大学という共通項のもと、二つの大学が教育と研究、大学運営をも含めて、情報交換やそれぞれの分野での研究ができれば」
上智大はまた先月24日、プロテスタント長老派によって創設された国際基督教大学(ICU、東京都三鷹市)と「連携及び協力に関する包括協定」を締結している。
今後予定されている取り組みは次のとおり。
①学生(大学院生、留学生を含む)および教職員の相互交流
②教育・研究に関する学術交流と情報交換
③グローバル化の推進
調印にあたり、上智大の曄道学長は次のように展望を述べた。
「少子化の加速、社会の変革、グローバル化が同時に押し寄せる中で、日本の大学は正念場を迎えている。今後、両大学はそれぞれのリソースを活用することで、教育研究の質向上、志の高い学生の確保、そしてよりいっそうのグローバル化を強力に推進していく。日本の大学の国際化を牽引してきた両大学が連携することで生じる相乗効果に期待したい」
一方、ICUの日比谷潤子(ひびや・じゅんこ)学長はこう語った。
「両大学はキリスト教主義に基づき、社会に奉仕する学生を育む教育・研究を推進し、日本の大学の国際化を牽引してきた。今回の包括連携協定締結を機に、これまで以上の資源の共有、情報交換を進め、学生と教職員の交流実現のみならず、国際社会に真に貢献する人材を、共に真剣に育成していきたい」