わたしはその人が霊的指導者であることを初めは知らなかった。彼は自分が「霊的な指導者」とは思ってもいなかった。「霊的な指導者」という専門用語を、彼もわたしも一度も聞いたこともなかった。わたしたちはお互いにその専門用語を知らなかったが、そのことは何の妨げにもならなかった。わたしたちは共に「まだ名付けられていない働き」に従事していたのだ。夏の火曜日と木曜日の夕方にわたしたちは、教会の地下室にある祈祷室で祈りと会話をするために集っていた。それは素晴らしい時であった。彼こそ、わたしが出会った最初の霊的な指導者だったのだ。それだけではない。彼は、まさに最高の霊的な指導者の一人でもあった。わたしたちが行った祈祷室での集まりは、わたしの人生に長く影響を残す重要な一つの交わりを作り出した。わたしたちの間で起こった出来事を的確に説明する語彙(ごい)が見つかるまで、すなわち、彼こそがわたしの「霊的な指導者」だったと分かるまで、実に20年以上もの時間を要したのである。
正しい者の口は澄んだ知恵の泉。
下品な口はよどんで腐った沼地。
―― 箴言10章31節
*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。