主の御名をあがめます。
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◆1303年9月7日 アナーニ事件
1077年の「カノッサの屈辱」以来、皇帝の権力よりも教皇の権力が強い時代が続き、一時は「教皇は太陽、皇帝は月」とまで言われましたが、その勢力図が書き換えられたのがこのアナーニ事件です。
度重なる十字軍の失敗により、教皇の権力は次第に弱まりました。教皇ボニファティウス8世は教皇権を回復しようとしましたが、聖王ルイ9世の孫であったフランス王フィリップ4世は王権拡張主義を強く抱いており、両者は激しく対立しました。ついにフィリップ4世は軍をイタリアに進め、ボニファティウス8世はアナーニという街に逃げ込みましたが、そこで捕らえられてしまいました。すぐに救出はされましたが、この時の心労がたたって、まもなく命を落としてしまいました。
さらにフィリップ4世は、この2代後の教皇クレメンス5世をアヴィニョンに移住させました。これは「アヴィニョン捕囚」とか「教皇のバビロン捕囚」と呼ばれ、教皇権に対する王権の優位の象徴的なできごとでした。そして歴史は絶対王政の時代へと流れていくことになります。
それではまた明日。
主にありて。