JEA女性委員会 がんサバイバーが「霊的同伴」と「がんカフェ」の体験を共有

日本福音同盟(JEA)女性委員会は11月12日、第18回となる「かたりば」をオンラインで開催した。救世軍神田小隊士官(牧師)の髙畠恵子氏が「神と一つになる――私になる旅路」と題して講演し、多くの人々が直面する「生きづらさ」や、深刻な病の中で神との新たな関係性を築いた体験を語った。

救世軍の士官の家庭に生まれた髙畠氏は、幼少期から両親の期待に応えようと努力を重ねたものの、家族との関係の中で生きづらさを抱え、「信仰が足りない」という自己評価にさいなまれる日々を過ごした。

ミッションスクールや神学部での学びを通じて献身を目指すも、精神的に追い詰められ中退。その後、自殺未遂や精神科での治療を経験し、「宗教は人の幸福のためにあるはずが、なぜこんなに苦しいのか」と問い続けてきた。

そんな中、結婚した夫の信仰の変化を機に自らも救いを体験。救世軍士官学校卒業後、長野小隊、高松小隊、川口小隊、簡易宿泊所などで牧会に従事したが、長年の精神的・身体的な苦しみに、すい臓がんの宣告が追い打ちをかけた。しかし、霊的同伴に出会い学ぶ中で、神との関係を深めることができた。

「特に、霊的同伴者との対話や十字架の道行きで、『神はいつもともにおられる』との確信を得た。がんの手術後、自由を奪われた身体的状況の中でも『心は何にも縛られていない』と気づき、霊的な自由の意味を深く理解するようになった」と髙畠氏。

術後は、説得と対話を重ね、がん患者を支援する「がんカフェ」を設立。カフェでは、同じ病を経験した仲間とともに過ごす時間が心を軽くし、見える景色を変えるきっかけになるという。医師の樋野興夫氏が提唱し、全国的に広がったがん哲学カフェは、参加者たちが自由に話し、痛みを分かち合うことで癒やされる場を提供し続けている。

講演後、参加者はグループに分かれて交流。信仰、家族、病に対する挑戦を通して得られた気づきが希望と励ましに至ったという証しを、自身の経験と重ねて分かち合った。

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