今日1月6日は吉田満の誕生日。『戦艦大和ノ最期』(講談社文芸文庫など)の著者です。
1945年4月7日午後2時23分、米艦載機の猛攻撃を受け、鹿児島県坊ノ岬沖で戦艦大和は沈没しました。乗組員3332人のうち、生還者は276人で、吉田はそのうちの一人でした。
戦後すぐ、作家の吉川英治に勧められて『戦艦大和ノ最期』の初稿を1日で書き上げます。その手記を読んだ今田健美(こんだ・たけみ)神父と話をしたところ、「自分の心を初めて汲んでもらえたと感謝とよろこびが湧」き、その後、カトリック世田谷教会で洗礼を受けます。1948年3月28日の復活祭でした。
しかし、翌年、結婚した妻がプロテスタントであったことから、その日本基督教団・駒込教会(後の西方町教会)の礼拝に通うようになり、後に転会。その教会の牧師が、教団紛争の中で日本基督教団総会議長を務め、56歳で急逝した鈴木正久でした。吉田も『鈴木正久著作集』を編集している最中、同じく56歳で召天しました。その信仰に触れた著作『平和への巡礼』(新教出版社)もあります。