関西学院大名誉教授、元東京女子大学学長の船本弘毅さん召天、83歳

 

船本弘毅さん(ふなもと・ひろき=関西学院大名誉教授、元東京女子大学学長)が20日午後0時42分、胆管がんのため、東京都狛江市の自宅で召天した。83歳。前夜式は24日午後7時から、告別式は25日正午から日本基督教団・阿佐ケ谷教会(杉並区阿佐谷北5の18の10)で行われる。喪主は妻の恵(けい)さん。

船本弘毅氏(写真:日本キリスト教文化協会提供)

船本さんは1934年、静岡県生まれ。57年、関西学院大学神学部(新約聖書学)卒業後、59年、同大学院神学研究科修士課程修了。ニューヨークのユニオン神学大学大学院で修士、スコットランドのセントアンドリュース大学大学院で博士号(Ph.D.)を受領し、82年、同大の神学教授を務めたサミュエル・ラザフォード賞を受賞。64年、日本基督教団正教師になる。関西学院大学社会学部教授・宗教総主事、南メソジスト大学客員教授、東京女子大学学長、東洋英和女学院院長・東洋英和女学院大学学長を歴任。長年、生命科学とキリスト教倫理を研究してきた。また、日本基督教団・高槻教会の開拓に携わり、同教会を30年余り牧会。

先月にも日本キリスト教文化協会の連続講演会で、「聖書に聴く──人生の苦難と希望」と題する講演を行い、次のように語っていた。「私たちは今、言葉では言い表せないほどにたいへんな時代を生きています。他者を受け入れないきわめて自己中心的な、自国主義的な気風が世界的に強まっています。そして、高齢化が進む社会の中で、人はみな孤独と不安のただ中に置かれています。『苦難と希望』、それは聖書の民が生きてきた歴史でもありました。この年も、地道に、互いに励まし合いながら、聖書に聴く歩みを通して、主にある希望に目を向ける者でありたいと心から願っています」

著書は、『キリスト教と現代』(日本キリスト教団出版局、1978年)、『聖書の世界──旧約を読む』(創元社、89年)、『聖書の世界──新約を読む』(同、97年)、『イエスの譬話──生きる道しるべ』(河出書房新社、2002年)など多数。訳書にユージン・H・ピーターソン著『イエスとともに祈る365日』(共訳、日本基督教団出版局、1999年)、『詩編とともに祈る365日』(同、2005年)など。

また近年、一般出版社から刊行されたキリスト教入門書の著作や監修も多く手がけた。『知識ゼロからの教会入門』(幻冬舎、2015年)、『一冊でわかる名画と聖書』(成美堂出版、11年)、『図説 地図とあらすじでわかる聖書』(青春出版社、09年)など。

雑賀 信行

雑賀 信行

カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。

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