今日2月6日は『新明解国語辞典』編集主幹、山田忠雄の命日です。
赤瀬川原平『新解さんの謎』(文藝春秋)で有名になった「恋愛」の語釈は、「特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持を持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態」。それに対して、キリスト教で大切な言葉「愛」の語釈は「愛情」と非常にあっさりしています(81年の第3版)。
現在は第7版(2011年)で、「恋愛」は「特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと」と精神的にシフトしています。「愛」も「個人の立場や利害にとらわれず、広く身のまわりのものすべての存在価値を認め、最大限に尊重して行きたいと願う、人間本来の暖かな心情」と詳しくなっています。