愛知県豊田市の教会で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)は、15日までに46人に拡大、岐阜県可児郡御嵩町の教会でも25人の変異株クラスターが確認されている。どちらも4月7日に行われたイースター(復活祭)が引き金になったと見られており、キリスト教関係者の間でも波紋を広げている。
直接的な要因は解明されていないが、いずれのケースにも共通しているのは、賛美歌と会食。岐阜県が行った聞き取りによると、御嵩町の教会では、礼拝後に自宅から持ち寄った弁当で会食するのが毎週日曜の恒例となっていたが、新型コロナ感染拡大以降は長期間中止をしていた。しかし、4日は「つい気が緩んでしまい、今回のような事態となった。改めて会食中止と感染防止に努める」と話しているという。
昨年、1回目の緊急事態宣言が発令された時期には、多くの教会ではミサや礼拝を休止し、オンラインに切り替えるなどさまざまな対策を講じてきた。コロナ第4波危機が叫ばれる中、果たして、あなたが通っている教会の現状はどうであろうか。ここで改めて厚生労働省が提唱する新型コロナウイルス対策を振り返りたい。
◆こまめな手洗い、消毒を心がける。
※正しい手洗いでウイルスは1/100万まで減らすことができるとされている。
◆顔に触れない。
※目、鼻、口など粘膜からの接触感染を防ぐ。
◆マスクを正しく着用する。
※鼻と口をしっかり覆うもの、自分の顔にフィットするものを選ぶ。
◆咳やくしゃみをする際は“咳エチケット”を徹底する。
※マスクがない場合はティッシュ、ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえる。
◆発熱など風邪症状がある場合や、体調がすぐれない日は外出を控える。
※息苦しい、症状が4日間以上続くなど、感染が疑われる場合は最寄りの受診・相談センターへ連絡を。
◆密閉、密集、密接の「三密」を避ける。
※ 屋外でも、密集・密接には注意が必要。人混みや近距離での会話や会食、激しい運動等は避ける。
◆他の人と十分な距離を取り、窓やドアを開けてこまめに換気する。
多くの人が集う教会においては、三密回避の徹底が求められる。ミサ・礼拝を行う際は人数制限を設ける、聖餐や献金の際の接触、愛餐会(会食)を避けるなどのほか、以前から合唱による感染も相次いでいることから、賛美歌を歌う際にも工夫が必要だろう。
大阪府では3日間連続で感染者数が1000人を超え、過去最多数を更新。15日には東京も2カ月ぶりに700人を超えるなど、各地で感染者数が増加している。今回のような報道がされると“犯人探し”や誹謗中傷の動きが広まるが、いまやいつ、だれが、どこで感染してもおかしくない状況だ。現在、体調に異変を感じていなかったとしても、自覚症状がないだけで誰かを感染させている可能性もある。私たちは改めてこのウイルスを自分の問題として受け止め、一人ひとりができる対策を見直すべきではないだろうか。
【参考記事】 日本キリスト者医科連盟 「感染症対策ガイド」
【参考動画】「#教会のウイルス対策」について感染症対策の専門家(現役神学生)にアドバイスもらいました。