カトリック札幌教区(教区長:勝谷太治司教)は26日、「新型コロナ・ウイルス感染拡大防止のためのミサ、集会等の自粛について(No4)」という文書を発表した。「緊急事態宣言」が25日に北海道でも解除されたのを受けて、「3密を避けた分散ミサを実施する方向で各小教区において検討するよう」通知した。「ただし、特に都市部においては、分散であってもミサを公開とすることは難しい」としている。
札幌教区が管轄する北海道で確認された新型コロナ・ウイルスの感染者は1057人(25日現在)。
「新型コロナ・ウイルス感染拡大防止のためのミサ、集会等の自粛について(No4)」の全文は以下のとおり。
札幌教区では、2月27日より教会における公開のミサ、集会等を中止してきました。皆様の多大な犠牲により、教会内の感染の報告は一件もありません。皆さんの協力に感謝いたします。昨日、国の緊急事態宣言が解除されましたが、これに合わせ教会の今後の方針についてお知らせいたします。
ミサ・集会等の自粛についての3回目の通達「新型コロナ肺炎感染拡大防止のための措置について」(3月27日付)において、自粛期間は限定せず、「感染症が終息するまで、(諮問した専門家の意見は分かれていますが、おおむね7日から20日間以上感染者0が続くか、治療薬が開発されるまで)」としてきました。それからおよそ2ヶ月が経過しましたが、専門家の見解ではこの感染症は完全な終息が見込めず、ワクチンや治療薬の開発もまだまだ時間がかかるので、今後私たちの社会を「With Corona」(コロナと共に)を前提とした生活様式にしていく必要があるとしています。教会も、これに合わせ感染者が(私たち自身が感染者になっている可能性も含め)どこにでもいることを前提とし、教会内において感染拡大は一切許さない覚悟で対応し、当面それを日常にしていく必要があります。
上記の通達では、3密を避けられるなら参加者を限定して分散ミサ等を実施するよう指示もしてきました。先日、この分散ミサ等の実施状況について、全道各地区にアンケートをとりました。その結果、すでに多くの地区で実施されており、「With Corona」を前提とした対応がなされていることが分かりました。この結果を踏まえ、札幌教区において、3密を避けた分散ミサを実施する方向で各小教区において検討するようお願いいたします。その際、以下の点について留意してください。
以前に出された、感染拡大防止策はさらに厳密に行ってください。特に聖堂内においてはソーシャル・ディスタンスを保つことに留意し、それができない場合は、ホール等へ会場を分散するか入場制限をしてください。
感染者が出た場合にリンクをたどることができるようにし、必要に応じて名前と連絡先をその都度記録してください。その際、ペンの回し使用は避けてください。
分散ミサを公開にするか、所属信徒のみとするかは、その地域や小教区の状況に応じて各教会で判断してください。ただし、特に都市部においては、分散であってもミサを公開とすることは難しいと思われます。自分の所属教会のミサに出られないので公開ミサをしている他の近隣教会に行くということが起これば、大きな混乱を来します。少人数の旅行者等の訪問者については、実情に応じて臨機応変に対応してください。
すべての所属信徒のために毎日曜日のミサができず、隔週の参加を求めるような場合、主日のミサに与(あずか)る義務を免除する権限を主任司祭に与えます。また、健康不安や、高齢で持病があるなど不安を感じる人についても、義務を免除します。
教会総会、バザー、その他大人数が集まるイベント等については、引き続き自粛をお願いします。これについても、一律に考えるのではなく、それぞれの教会の実情に合わせて判断してください。
地域や小教区によって実情が違うので、一律の指示ができません。具体的な対応は、各小教区で主任司祭の指導の下、教会員がよく相談して決めてください。実施については6月になってから、準備ができた教会から始めるようお願いいたします。
追伸
最後に、前回の通達でも触れましたが、教会活動が大きく制限されている中、日常生活で支援を必要としながらも、取り残されている人たちがいないか、共同体としての十分な配慮をお願いいたします。神様の豊かな恵みが皆様の上にありますようお祈りします。