今日4月20日は犬養道子の誕生日。世界の難民救済などに尽力するかたわら、『聖書を旅する』(中央公論社)などを書いたカトリックの評論家です。2017年、96歳で亡くなり、東京四谷のカトリック麹町教会(聖イグナチオ教会)で葬儀ミサ、告別式が執り行われました。
祖父は、1932年の五・一五事件(政府のやり方に不満を持っていた青年将校らによる反乱)で暗殺された犬養毅首相の孫で、当時11歳でした。
その後、戦局が日増しに厳しくなるある日、道子が教会(現在の麹町教会ですが、取り壊しの通知を受けて空き家同然になっており、翌45年に空襲で焼失しました)を訪ねると、ドイツ人宣教師ヘルマン・ホイヴェルス神父がいて、「なぜ教会に来ましたか」と問うのに、「生きることが分かるために。生きる意味が分からないから」と答えます。それに対して神父はこのように助言するのです。「父よ、天にいます父よ、われらの父よ、あなたがいらっしゃるなら、あなたを私にお示しくださいとお祈りなさい。それから、人のために、どんな小さなことでも、特に嫌な仕事を心から喜んでなさい。分かってきます」
こうして、戦時中の44年12月、23歳の時に上智学院内の聖堂で洗礼を受けたのです。