今日4月11日はカート・ヴォネガットの命日です。その作品のスタイルを村上春樹は第1作『風の歌を聴け』(講談社)で真似ています。『パームサンデー──自伝的コラージュ』(早川書房)でヴォネガットは自分を「キリストを礼拝する不可知論者」と言い、また「キリストを愛する無神論者」とも呼んでいます。しかし、自分はクリスチャンでないと念押ししていました。ヴォネガットは、イエスの「山上の説教」、特に冒頭の八福の教えのファンで、作品の中でよくそのことに言及していました。『パームサンデー』では、「山上の説教は、決してブレたり消えてなくなったりしない慈悲深さを示している」と書いています。