青山学院創立145周年記念イベントが創立記念日の16日、同大学ガウチャー記念礼拝堂(東京都渋谷区)で開催された。卒業生と在校生が青山学院で過ごした日々について語り合うパネル・ディスカッションと、映画「僕はイエス様が嫌い」の特別上映会という内容だ。
パネリストは、モデレーター(司会者)の石田博之(いしだ・ひろゆき)さん(社会情報学部教授)と、2019ミス・インターナショナル日本代表に選ばれた在学生の岡田朋峰(おかだ・ともみ)さん、卒業生の廣瀬美栄(ひろせ・みえ)さん、秋山恵美(あきやま・えみ)さん、奥山大史(おくやま・ひろし)さん。奥山さんは青山学院の幼稚園から高等部を経て大学を卒業し、同日上映された「僕はイエス様が嫌い」で映画監督としてデビューした。
──青山学院時代の思い出や、社会に出てから活かされている経験など
廣瀬:私が入学した2011年は、東日本大震災が起こった直後で、入学式がない年でした。そういったこともあって、在学中の4年間はずっとボランティア活動に参加していました。被災地で現地の方と触れ合う中で、いざという時にお金を備えておくことの大切さを感じたこともあり、現在は地方銀行に勤めています。今は学生時代の時ほど精力的にボランティア活動ができるわけではないのですが、これからも被災地の支援活動を続けていきたいと思っています。
秋山:私もボランティア活動がいちばんの思い出として心に残っています。岩手県の宮古港フェリー・ターミナル・ビルに壁画を設置した「アートでつながる壁画プロジェクト」にも参加しました。このような経験から、医療と介護の現場で働く方々の人材派遣を行う企業で今は働いています。
奥山:初等部5年生の夏に「海の生活」があり、長崎県平戸市で遠泳に挑戦しました。僕はいま映画や広告を作る仕事をしていますが、この時の、みんなで一つのゴールを目指して力を合わせて泳いだ思い出が原体験になっていると思います。
岡田:幼稚園から現在まで17年間、青山学院に通っているので、人生のほとんどをこの場所で過ごしています。中でも記憶に残っているのは、幼稚園時代の先生の言葉です。当時の私はブランコが大好きで、朝から晩まで乗っていたくらいなのですが、それを心配した両親が先生に相談したとき、「朋峰ちゃんが飽きるまで見守りましょう。ブランコを通して、順番を守ることや友だちと一緒に遊ぶことを学んでいるんですよ」と言ってくださいました。子どもの「やりたい」という気持ちを肯定して、あたたかく見守ってくださる先生の姿勢や幼稚園の環境にとても感謝しています。今、ミス・インターナショナルのお仕事をしながら自由に自分を表現できるのは、青山学院で指導していただいたことが礎(いしずえ)になっているのかなと思います。
──青山学院のキリスト教に基づいた教育について
奥山:社会に出てから、「キリスト教やイエス様の教えが少なからず影響しているな」と感じることがあります。特に自分が作った映画「僕はイエス様が嫌い」が公開されたとき、「他の学校では体験できない貴重な経験をさせてもらっていたのだな」と改めて思いました。これは僕の実体験を基にした作品でもあるので、映画を撮影する際は初等部を取材させていただいたりもしました。
岡田:私もキリスト教の教えが今も深く心に残っていて、好きな言葉や座右の銘を聞かれると、幼稚園の頃に教えていただいた「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」(1テサロニケ5:16~18)だと答えています。
廣瀬:私はクリスチャンではないのですが、在学中は落ち込んだりすると、よく昼の礼拝に参加していました。わずか30分という時間でしたが、説教はいつもどこかしら心に響くものがありましたね。青山学院のスクール・モットー「地の塩、世の光」のように、人生を通して人の役に立てる人間になりたいです。