12月19日「エリ・ヴィーゼル、燃えている魂(1972年)」

 アウシュビッツの死の収容所で監禁されていた一人の若い男ヴィーゼルは、その収容所から生きて戻れた数少ない人々の一人だった。悪に囲まれ、死に直面した幼少期の体験が、どういう訳か、聖化を歓喜し、生命を謳歌する小説家としての使命を抱く者へと変えた。ヴィーゼルが行ったことは、小説を書く他に、バアル・シェム・トーフの物語と後継者の物語を話すことだった。

 そのバアル・シェム・トーフとは、東ヨーロッパで18世紀に生きた無名のユダヤ人である。彼はスピリチュアリティーの復興に火をつけた。スピリチュアリティーは共同体から共同体へと広くひろがった。それは、遊び心のある驚き、奇跡への心構え、貧しく、迫害され、阻害されたユダヤ人の間で聖化が活き活きとなることである。エリ・ヴィーセルはその物語を話したのである。それはハシディームと呼ばれ、物語や歌の熱狂的な爆発のようなものである。これは聖なる生活をいきいきとした秘儀を証言している二、三の似た物語の最初の部分である。
 

イエスは言われた。わたしはあなたがたになるべく平易に告げよう。歴史的に誰一人、バプテスマのヨハネよりも偉大な者はいない。しかし、御国では、最も小さい者でも、ヨハネよりも偉大である。
―― ルカによる福音書7章28節

*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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