10月10日の「世界死刑廃止デー」にあたり、石破茂首相と牧原秀樹法務相に対し、死刑廃止を求める声明が相次いで発表された。
日本カトリック正義と平和協議会死刑廃止を求める部会(竹内修一部会長)は、石破首相と牧原法相に、各自の良心に従って誠実に職務を全うするよう祈り求めるとともに、「決して死刑執行を再開することなく、死刑廃止に向けた具体的な取り組みを日本政府として遂行されること」を切に願った。特に「熊本バンドに連なる熱心なキリスト者である」石破首相に対しては、「すべてのいのちは、神から与えられた恵みである――もしこのことを、石破首相が心の奥深くで確認されるのならば、『殺してはならない』という神の言葉をどのように受け止められるのでしょうか。国家の名のもとに一人の人のいのちを奪うこと――それは、明らかに神の思いを忘れた人間の驕り以外の何ものでもないのではないでしょうか」と訴えた。
日本聖公会の長谷川清純正義と平和委員会委員長と同管区事務所の矢萩新一総主事は連名の声明で、死刑制度の存廃は世論や国⺠感情によって決定されるべきものではなく、いのちの尊厳や人道的な見地に立って決定されるべきものだとした上で、「日本政府は今、国民感情や世論調査にとらわれることなく、死刑制度廃止に向けた強いリーダーシップが求められています」と主張。「死刑は、国家の名のもとに人のいのちとその尊厳を奪う殺人」だとして、牧原法相に対し、決して死刑執行の決断をせず、死刑制度の廃止に向けた法改正を一日も早く実現するよう強く求めた。