体の寒さには上着を、心の寒さには賛美を【聖書からよもやま話384】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は旧約聖書、イザヤ書の61章です。よろしくどうぞ。

 

イザヤ書 61章3節

憂いの心の代わりに賛美の外套を着けさせるために。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

「外套」という言葉は普段では使わなくなりましたけど、まぁ上着とかコートとかのことですよね。これらは寒さから身を守るために着る者です。もちろんオシャレのために着ることもあります。

賛美というのは広義では「神様を褒め称えること」狭義では「讃美歌や聖歌、ゴスペルなどの神様を褒め称える歌を歌うこと」です。ノンクリスチャンの方が初めて教会に行くと礼拝中、司式の方に「賛美をいたします」とか言われて「え?なに?なにするの?」と戸惑うことも多いかもしれません。「讃美歌を歌います」と言ってくれれば初めての方にももっと分かりやすいのでしょうが、多くの教会では「賛美をいたします」とか「賛美しましょう」とか言うと思います。礼拝中に限らずクリスチャンが「賛美しよう!」と言い出したらそれは多くの場合「みんなで歌おうぜ!」という意味です。

お寺ならお経、神社なら祝詞などで、それぞれ信じる神仏に対して敬意を示したり祈ったりしますが、クリスチャンはこれを歌でやるんです。ですからお寺のお葬式ではお経が読まれますが、教会のお葬式ではみんなで歌います。歌うことが神様への経緯を示すことであり、祈りであるんです。
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そしてそんな賛美を聖書は「外套」と表現しています。つまり「心と魂を寒さから守るもの」と言えるかと思います。ということは、その前に出てくる「憂いの心」というのは「寒くて凍えている状態」と言えます。世の寒風に冷え切って、ぶるぶると震え、身も心もすくんでしまっている状態、それが憂いだということです。そして身体が寒い時に上着を着るように、心が寒い時即ち憂う時には賛美をしなさい、と聖書は教えているんです。

必ずしも歌わなくてもOKです。心の中で神様を褒め称えるだけでもOKです。それも広義には立派な賛美です。辛い時にこそ、神様を褒め称えてみなさい、そうしたらポカポカしてきますよ、と聖書はそう言っているんです。辛い時、憂う時には神様を褒め称える気にならないかもしれません。喜ぶ時にばかり神様を褒め称えるのが自然かもしれません。でもだからこそ、そんな時にこそ褒めよ歌え!!と聖書は勧めています。

とはいえそれでも、本当に辛い時、憂う時には賛美する力さえ少ないかもしれません。でも大丈夫、そのために教会があるんです。教会は「祈りの共同体=祈りチーム」です。祈れない時には教会の仲間が代わりに祈っていてくれます。それはちょうど、寒さで弱りきって自分で上着を着られない人に、仲間が上着を着せてくれたり毛布をかけてくれたりするようなものです。

誰かのために祈るというのは、凍える誰かに上着を着せてあげるようなものなんです。寒い日に、お互いに上着を着せ合うような共同体、それが教会なんです。だからクリスチャンでもノンクリスチャンでも、心が凍える時には教会に行けばいいんです。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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