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信仰は頑固に、行動は柔軟に【聖書からよもやま話358】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、レビ記の18章です。よろしくどうぞ。

レビ記 18章3節

あなたがたは、自分たちが住んでいたエジプトの地の風習をまねてはならない。また、わたしがあなたがたを導き入れようとしているカナンの地の風習をまねてはならない。彼らの掟に従って歩んではならない。(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

「郷にいれば郷に従え」という格言がありますけれど、クリスチャンにとってこれは必ずしも正しいものではありません。クリスチャンになったのなら、過去の自分の生活を帰る必要がありますし、それ以降に周囲を取り囲むことになる様々な誘惑からの影響もできるだけ避けなければいけません。つまりクリスチャンとしての生活を貫け、ということです。過去をいったん切り離し、そしてそのままブレずに生きろということです。

「今までこのようにしてきたから、これからも同じように」というのもダメですし、「周りのみんながこうだからそれに合わせなきゃ」というのもダメだと言うことです。つまり過去にも、周りの環境にも影響されるなよ、ということです。
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しかし一方、新約聖書では伝道のコツとして「ローマ人にはローマ人のように、ギリシア人にはギリシア人のように」とも書いてあります。これはつまり、伝道しようとする相手の思考に合わせて、わかりやすい、伝わりやすい表現を選びなさい、ということです。ここがよく混同されたりしてしまうところです。「ローマ人にはローマ人のように、だから日本のクリスチャンも日本の伝統宗教に迎合して生きるべきなのだ」というのは間違いです。しかし反対に「日本の風習や日本人の考え方を無視して、ひたすら自分たちの価値観だけで伝道しろ」というのも間違いかと思います。それではただの「思想の押し付け」です。伝わるものも伝わりません。

相手に合わせて伝わりやすい表現をすることはOK。でも自分自身が相手に合わせて変わってしまうことはNGということです。この線引きとバランスが非常に難しい。僕も常に試行錯誤しています。クリスチャンになって20年にもなりますが、ずっと試行錯誤しています。ずっと世話になっている牧師から「信仰はファンダメンタル(頑固)に、行動はリベラル(柔軟)に」と言われたことをずっと大切にしています。

でもこの試行錯誤が大切なのかと思います。日本でクリスチャンとして生きるなら「日本の文化や考え方を一切否定する」とか、反対に「日本の文化や考え方も無制限に受け入れならが生きていく」とか、極端に触れてしまうことはよくありません。信仰に限らず、どんなことでも極端に触れるのは実は簡単なことです。しかし他の人に対して説得力に欠けてしまいます。その難しいバランスについて、常に試行錯誤を続けることが、人にものを伝える時に肝心なことなのだと思います。

川下りをするのには、右の岸にも左の岸にも近づきすぎてはいけません。岸にぶつかってしまったらアウトですからね。常に両岸との距離を把握し、適切な距離を保たなくては進むことができません。

柔軟であることも大切。頑固であることも大切。柔軟さと頑固さのバランス、柔軟であるところと頑固であるところの見極め、難しいからこそ常に意識し、考え続けることが肝要です。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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