今日9月23日は万年筆の日。1809年のこの日、英国のフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが、軸にインクを内蔵できる筆記具を考案して特許をとり、これが万年筆の起源とされます。現在の毛細管現象を利用してペン先にインクを送る仕組みが発明されたのはその75年後で、米国人のルイス・エドソン・ウォーターマンによります。フランスの老舗ブランド、ウォーターマンの創始者です。
今では「インク沼にはまる」(趣味などに引きずり込まれるほどのめり込んでいる状態のたとえ)人がいるほど、さまざまな色のインクを集める楽しみもあり、静かに万年筆ブームが起こっています。
モーセがシナイ山で授かった十戒の板に書かれた「その筆跡は神の筆跡で、その板に刻まれていた」(出エジプト32:16)とありますが、どのような筆跡だったのか気になります。
秋に万年筆というと、風のインクで手紙をしたためるという松田聖子の「風立ちぬ」でしょうか。メールも便利ですが、この秋、万年筆で手紙というのもいいかもしれません。筆跡は雄弁にその思いを伝えてくれます。文字だけのメールやSNSでしばしばトラブルが起こるのは感情が伝わらないからかもしれません。しかしヨハネは、手紙でさえももどかしかったようです。
「あなたに書くことはまだいろいろありますが、インクとペンで書こうとは思いません。それよりも、近いうちにお目にかかって親しく話し合いたいものです」(3ヨハネ14節)