今日9月13日はセカンド・インパクトの起こった日。2000年のこの日、南極大陸に極小の隕石が落下(実は事実は違った)。洪水、津波、海水面上昇、噴火、地殻変動、地軸の変動などの環境激変が起こり、世界人口の半数が失われたという、SFアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」での架空の大規模災害です。
「新世紀エヴァンゲリオン」(1995~96年放映)は、このセカンド・インパクトが起こってから15年後の世界を舞台に、巨大な汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の碇シンジたちと、謎の敵「使徒」との戦いを描いています。
「エヴァンゲリオン」(福音のギリシア語)や「使徒」など、聖書の言葉やイメージをたくさん散りばめることで物語に深みを出そうとする衒学的(げんがくてき)な手法がとられています。ほかにも、国連直属の特務機関 NERV(ネルフ)本部のメイン・コンピューター「MAGI」(東方の博士)は、メルキオール(黄金)、バルタザール(乳香)、カスパー(没薬)という3つの独立したシステムによる合議制だとされています。また、第1使徒の名前が「アダム」で、秘密結社ゼーレが所持する謎の古文書が「死海文書」。
セカンド・インパクトの引き金となった「ロンギヌスの槍」は、十字架にかかったキリストの脇腹を突き刺した槍のことで、刺したローマの百卒長の名前は聖書には名前は出てきませんが、外典の「ニコデモ福音書(ピラト行伝)」に登場します。「ロンギノスという名の兵がイエスの脇腹を槍で突きさした」(田川建三訳、『新約聖書外典』講談社文芸文庫、94頁)