皆様いかがお過ごしでしょうか。MAROです。今日も日刊キリスト新聞クリスチャンプレスをご覧いただきありがとうございます。
毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章から心に浮かんだ事柄を、皆様の役に立つ立たないは気にせずに話してみようという【聖書からよもやま話】、今日は 新約聖書、ヨハネの福音書の6章です。それではよろしくどうぞ。
◆ヨハネの福音書 6章13節
そこで彼らが集めると、大麦のパン五つを食べて余ったパン切れで、十二のかごがいっぱいになった。
今日の箇所は有名な「5000人の給食」のシーンです。5つのパンと2匹の魚をイエス様が増やして5000人の人々に食べさせたというエピソードで、この5000人というのは成人男性だけを数えた数ですから、実際には女性や子どもを含めて10000人くらいが食べて満足したのではないかと言われています。
さて、この時にみんなが食べたパンはどんな味だったのでしょう。気になります。というわけで、何か味に関する手がかりがないか注意して読んでみたところ、ヒントがありました。「大麦のパン」と書いてありました。
皆さん、大麦と小麦の区別ってつきますか?「大きいのが大麦、小さいのが小麦でしょ」と思っている方は多いでしょうし、僕も実は以前はそう思っていたのですが、実は違います。穂の大きさはむしろ大麦の方が小さいんです。それがどうして大麦と呼ばれるようになったのかには諸説ありますが、「育ち始めは大麦の方が穂が大きいから」とか、「穂についている禾(ノギ)と呼ばれるヒゲみたいな毛が大麦の方が長いから」とか言われています。
気になるお味なのですが、大麦は小麦と違ってグルテンが含まれていないので、パンにしてもふっくらと膨らむことがなく、ボソボソの食感になってしまいます。近頃では大麦を材料にしてもおいしく焼ける技術が発展していますが、イエス様の時代にはおそらくその技術はないので、きっとぺったんこでボソボソのパンだったのだと思います。いわゆる「口の中の水分を持っていかれる」タイプのパンです。
栄養的には大麦にはグルテンがない代わりにグルテリンとホルデインというタンパク質が含まれていて、これはグルテンに似た性質を持っています。ですからグルテンアレルギーの方でも食べられる可能性があります。小麦のパンは食べられなくても大麦パンなら食べられるという人もいます。どっちもダメな人もいますから「大麦だから大丈夫!」とは言い切れませんが。さらに大麦は小麦に比べて食物繊維とビタミンが豊富です。
つまりイエス様が提供したパンは「グルテンフリーでヘルシー」だったわけです。みんなをお腹いっぱいにするだけでなく、健康にまで気を回すイエス様、さすがです。
ちなみに大麦はごはんに混ぜて炊くとおいしい上にヘルシーです。大麦は炊くと白米に比べて1.5倍くらいに膨らみますから、同じカロリーなのに食べられる量も増えます。さらに食物繊維は白米の17倍も含まれているので腹持ちも非常に良いです。玄米よりもすごいです。おすすめです。
それではまた。
主にありて。MAROでした。