去る5/14(金)、新生宣教団としては初の試みでしたが、オンラインにて宣教報告会を開催しました。約50名近い方々にご出席いただき、恵まれたひと時となりました。
宣教師でありチェアマンであるロアルド・リーダルは昨年の1月以降日本に入国できず、現在ノルウェーに滞在していますが、このようにしてオンラインで声を聴くことができ、皆様と言葉を交わすことができたことは特に感謝でした。
総主事 岩岡からのご挨拶、ロアルド・リーダルから新生宣教団のこれまでの活動や、ここ最近そして現在取り組んでいるプロジェクトなどを交えてメッセージをさせていただき、また宣教部スタッフから昨年から現在進行中の日本国内向けの宣教プロジェクトを紹介させていただきました。
質疑応答の時間も設け、共に賛美を捧げ、祈り合う時を持つことができました。
新型コロナウイルス流行という困難を覚える中で、この働きを覚えて支援してくださっている方々、興味を持ってくださっている方々が集ってくださり、同じ時間を分かち合い、祈り合うことができたことに、新生宣教団スタッフも大変な励ましを与えられました。心から感謝いたします。
報告会のなかで語られたロアルド・リーダルのメッセージを以下にご紹介いたします。(※宣教困難国などの話題もあり、部分的に内容を伏せています)
ロアルド・リーダルのメッセージと宣教報告
普通に集まることができない時、こうしてZoomでお会いできることを感謝します。
こうしてZoomでメッセージをさせていただくのは初めてです。
数年会っていない方や、会ったことのない方に会えることを感謝します。
新生宣教団のことをお祈りや献金で支えてくださっている皆様に心から感謝いたします。
日本やノルウェーを始め、13か国ほどで多くの教会を回って、宣教メッセージをさせていただき、たくさんの聖書の箇所を読ませていただきましたが、多分一番読んだことのある聖書箇所はヨハネの4章35節だと思います。
そこにはこう書いてあります。
「あなたがたは、『刈り入れまでまだ四か月もある』と言っているではないか。わたしは言っておく。目を上げて畑を見るがよい。色づいて刈り入れを待っている。」
この短いひと時、一緒に世界の「畑」を見ることができればと思っています。
私たちは自分の身の周りの事は見やすいと思います。私もそうですが、自分のやるべきことなどで大抵手一杯になってしまいます。
しかし自分の周りを見ることも大切ですが、目を上げて、世界の「畑」を見ることも非常に大切です。
イエス様は「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」と語られました(マルコ16:15)。
今日の私たちにも同じことを言ってくださっていると思います。
もしも救いの道がいくつもあったなら、そんなことを言わなくても良いかもしれないけど、イエス様以外に救いの道はありません。
人は自分の努力や自分の熱心さで、神様に近づくことはできませんし、天の国に入る事はできません。
使徒言行録の4:12にはこう書いてあります。
「ほかのだれによっても、救いは得られません。わたしたちが救われるべき名は、天下にこの名のほか、人間には与えられていないのです。」
中国で聖書を求める声
私たちの時代、多くの国で、見たことも聞いたことも無いようなリバイバルが起こっています。
中国はその中でも最たるものと言えるでしょう。
70年~80年前、中国の宣教師がみな国から出なければならないことになった時、中国にはクリスチャンが100万人いるかいないかという状態でした。
そして文化大革命の暗い10年間に、クリスチャンは大変な迫害を受けました。
牧師たちは捕らえられて刑務所か強制労働所に入れられ、聖書や賛美歌は没収されて燃やされました。
教会も燃やされたり、倉庫など他の目的のための建物に変えられました。
礼拝も禁止され……そうした、当然クリスチャンが減ってもおかしくない状況の中で、神様は働いてくださって、多くの人が神様の弟子となって、クリスチャンの数が本当に増えたのです。
ある兄弟からは彼の身の回りで24年間の間に600の教会ができ(もちろん建物の話ではありません)、4万人ほどの中国人がクリスチャンになったと聞きました。
彼は私たちの聖書を受け取る数週間前に、警察が来て教会活動を禁止され、聖書も取り上げられてしまったところだったので、私たちの聖書を本当に喜んでいました。
またある兄弟は、自分たちの地域にとにかく来て、聖書がどれほど足りないかを見て、知ってほしいと訴えてきました。
彼の地域では、この10年の間に爆発的にクリスチャンが増え、現在大体10万人のクリスチャンがいるとのことでした。
彼が韓国の兄弟からもらったという中国語の聖書を見せてもらいましたが、その聖書はなんと、新生宣教団で印刷された聖書でした。
私はあんなに使い込まれた聖書を見たことはありません。
彼は聖書を運んでいた所を警官に呼び止められ、そのことを理由に棒で殴られて、一年経ったその時もその怪我によって不自由を覚えていました。
彼に「もしそんなことがあるとわかっていたら、聖書を運びましたか」と聞いたところ、彼は質問の意味がよくわからないという風に「もちろんだ」と応えました。
「神様の言葉が足りなくて、そして私たちにとって非常に大切で意味があるから、もちろん同じことをやったはずです」と語りました。
ある時はまた別の教会のリーダーたちに会い、彼らは毎年、年間で25万冊を送ってほしいと訴えてきました。
聖書がまったく足りていないのです。受け取った時、涙を流して喜ぶ姿を、私は何度も見てきました。
聖書を求める声は今でも、私のもとに毎週のように届きつづけています。
アジア諸国での聖書の必要
そして中国だけではなく、他の特に東南アジアの国々、ミャンマー、カンボジア、ベトナム、ラオス、タイなど…、数々の民族の聖書の不足は、私たちにも理解することができないほど大きいものです。
カレン語、カチン語、アカ語、ゾートンチン語、ファディチン語、ビルマ語など……数え切れないほどのクリスチャンが何10年も聖書を待っているのに得られていない状況です。
これらの聖書についての証をひとつだけご紹介させていただきます。
「私は55年と6ヶ月祈ったうえで、神様が私たちの祈りに答えて下さいました。
私はただ聖書を求めていましたが、与えられたものは聖書だけではなく賛美歌も付いていました。
これを心から感謝します。これほど大きい喜びを経験したことはありません。
聖書を毎日読んで、神様の愛が私にあふれています。
感謝しています。ただ、まだ聖書を手にできていないクリスチャンがたくさんいることを忘れないでください。
彼らも神さまの道をもっと深く知ることができますように、何とか聖書を送ってください。」
彼らの聖書の不足について、どうぞ覚えてください。
私たちの思いを超えて働かれる神
旧ソビエト連邦について聖書を送った時の証も少しだけさせてください。
私が忘れることのできないプロジェクトです。
1990年ごろ、少しだけ旧ソ連の鉄のカーテンが開きかけた時、アメリカのミッションパートナーに「私たちに協力できることがあれば、ぜひ言ってください」と連絡しました。
すぐ翌日に返事のFAXが送られてきて、新約聖書と旧新約聖書の見積りを出してほしいということと、そしてそれまで私たちには経験したことが無かった提案だったのですが、そのための資金集めの面でも日本で協力してほしいとのことでした。
私たちはその時までそのようなことをしたことはなく、やり方もわからなかったのですが、何とか応えたいと思い、必要資金のうちの30%を日本で集めることを約束しました。
最初は10万冊ぐらいの聖書ということだったので、30%で230万ぐらいかとイメージして、まあ不可能では無いと思っていましたが、向こうから送られてきたリクエストはなんと、100万冊でした。
10倍ということで230万が2300万になってしまいますので、「そんなことができるだろうか」と頭を抱え、ある日本人の友人に相談しました。
そうしたところ、「やりましょう!信仰を持ってやりましょう!」と励ましてくださったのです。
そしてその結果、100万冊でもなく、なんと800万冊を印刷し、送り出すことができたのです。
その資金の35%ほどを、日本でカバーすることができたことを、神様にまず感謝しています。協力してくださった皆さんにも、感謝しています。
特に一人の日本人の兄弟が自分の蓄えたお金のすべてを、そのために捧げてくださった事を、忘れることができません。
アフリカも同じことです。数年にわたって私たちがアフリカの数10か国に聖書を印刷して送り出すことができた恵みを本当に感謝しています。
中東にも、神様がすばらしい働きをしてくださって、私たちがそこにも聖書を送り出すことができたことは感謝しかありません。
今後のアジアプロジェクトと祈りの課題
今もまた、非常に宣教が困難なある国への聖書を印刷するべく準備を進めています。
今の状況では予定されているだけの数を印刷することがとても不可能ですが、神様には不可能なことはありません。
何とか、その国にいる主にある兄弟姉妹に届けることができますように、そして必要としている資金がすべて与えられますように、祈っていただければ本当に幸いです。
そして現在、中国のドアが閉じられていることも覚えて祈ってください。
パンデミックの事もあり、困難の度合いは高まっています。
ぜひ皆様に、何とかして、待っている兄弟姉妹に一日も早く聖書を届けることができるように祈っていただきたいです。
マンガプロジェクトの恵み
最後にマンガプロジェクトについても一言付け加えさせていただきます。
2006年の秋に計画がはじまり、何度も話し合いを重ねた結果、現在では聖書に忠実なマンガ6巻が発行されています。
これは日本の若者、日本人のためだけではなく、どの国でも同じように読まれるものです。
マンガなら読まれる、マンガなら理解できる、マンガなら心に響くと思ってこのマンガを作りました。
クリスチャンの少ない日本の文化であるマンガを使って世界中に福音が宣べ伝えられることはすばらしい恵みであると思います。
現在、41か国語でトータル420万冊、マンガ小冊子は880万冊を出すことができたことは何という恵みでしょうか。
中国、インドネシア、フィリピン、インド、ヨーロッパ、アフリカ等の言葉で出すことができました。
このプロジェクトはまだ続いています。去年、ビルマ語で1万冊をミャンマーに送り出すことができました。
インドにはこれまでに大体35万冊を送り出すことができました。最終的には55万冊を目標としています。
今後はアラビア語で何冊かを印刷し、ヨルダンを経由してシリアに送り届けようとしています。
そしてアフリカや、アメリカの刑務所伝道などでも使われていますので、これらのプロジェクトが成功するように、これを通して多くの若者がイエス様と関係を作ることができるよう皆様に祈っていただきたいのです。
2年ほど前に、キューバとプエルトリコにスペイン語のマンガを8万冊ほど送りました。
戻ってきたレポートによりますと、この8万冊によって、1万8千人が求道者となり、9,800人が洗礼を受けたとのことでした。
マンガは力強い伝道ツールです。
これがさらに世界中で、神様の御用のために用いられ、多くの人たちが救われるように祈ってください。
聖書とマンガを届けることは非常に大事です。
ぜひこれからも祈りと経済的な協力をもって支えていただけたら幸いです。
「目を上げて畑を見るがよい。色づいて刈り入れを待っている。」
アーメン。
実際に宣教報告会に参加してくださった皆様、またこの働きを覚えてお祈りくださっている皆様に改めて感謝いたします。
今後ともこの働きを覚えてお祈りください。