みなさん、こんにちは! パダワン青木です。え?「パダワン?ってことは…」と思ったあなた、それはおいおい明らかにしていきますから、今は黙っていてください。
私がこの連載で達成したいことは、「キリスト教」と「聖書」にバランスをもたらすことです(この言い回しも…)。人間の歴史(特に西洋史)において、「キリスト教」と「聖書」は常に人々の中心にありました。一見、しっかりとしていて社会の精神的支柱のように思えるものですが、歴史的に見るなら実際はとんでもありません。これらは常に争いのタネとなり、まあ、ダークサイドとライトサイド(注:当初、ライトサイドなんて言葉はありませんでした。エピ7からディズニーが勝手に書き加えた「戯言(ざれごと)」です!)の間で揺れ動くやっかいなものとみなされていました。
それらの中核をなすのが「神」です。あ、もちろん信仰深い方は「神様」と尊称で読み進めてくださってもいいです。しかし、ここではあえて突き放した言い方、「神」でいきます。この「神」ですが、実は聖書の中にはよく読むと「あれ?」と思うような記述が満載です。このシリーズの記念すべき第一回として、「神」について取り上げ、いじってみたい…ではなく、考えてみたいと思います。どうぞよろしくお付き合いください。
皆さんは、聖書に登場する「神」をどんな奴だと思いますか?全知全能?怖い親父のイメージ?すべての理を見通せる超自然的な生命体?フォー●的な?(これはやめときましょう!)。キリスト教の教えによると、「神」がどんな存在か、それはすべて「聖書」に書いてあります。厳密には、そう考える福音派系諸団体と、これを人間の理性で捉えなおすリベラル系諸団体に分けられますが、聖書を基準に物事を考えるという点では共通しています。
いずれにせよ、「神」について知るためには「聖書」の言葉から見ていく必要がある、ということ。これは間違いありません。聖書を開いてみるなら、一番初めの書簡である「創世記」はこんな言葉で始まっています。
「初めに、神が天と地を創造した。」創世記1章1節
ちなみに、同志社大学の創始者である新島襄は、この言葉を読んでクリスチャンになったそうです。昔の偉い人はちょっと頭の構造が違いますね。このことは、同志社では結構有名な話で、内部進学してきた学生たちは、ほとんど皆知っているエピソードだそうです(現在私は、そんな新島さんのことを同志社大学の学生に教える「建学の精神とキリスト教」という授業を担当しています)。
さて話を戻しましょう。
ここから始まる「天地創造」の出来事(物語?)は、「神」が、発する言葉でイメージ通りの事物をこの世界に生み出していくというスペクタクルシーンです(映画『天地創造』でお馴染みのシーンだとも言えますが、個人的には今のVFX技術でリメイクしてもらいたいと思います)。聖書の記述によると、「神」は自らの言葉によって7日間でこの世界を造り上げています。その真偽はともかく、「そう書いてある」ことは紛れもない事実です。つまり「世界の外側からあれこれと注文を付けるだけで、言ったとおりの事象が世界の内側に起こせる存在」、これこそが「神」です。
ちなみにそんな「神」のイメージから生まれた映画があります。ジム・キャリー主演の「ブルース・オールマイティ」です。自分の不運を嘆き、ついには神様に悪態をついてしまう主人公ブルース。すると神様から「じゃあ、お前が神やれよ」と言われ、神様のスーパーパワーが宿ってしまうというコメディです。まあ、ツッコミどころ満載ですが、それなりに面白いのと、「あれこれと注文を付けるだけで、言ったとおりの事象が起こせる存在」としての「神」イメージを見事に描き出しています。
しかし一方で、聖書にはこんな記述もあります。
「そよ風の吹くころ、彼らは園を歩き回られる神である主の声を聞いた。それで人とその妻は、神である主の御顔を避けて園の木の間に身を隠した。」創世記3章8節
ここにある「声」は、原文(ヘブライ語 ちなみにヘブライ語は右から左によむそうです。)では、「音」となっています。つまりアダムとエバは、神の歩く音を聞いた、というのです。「神」が、のっし、のっしと練り歩いているイメージです。東北地方の「なまはげ」のように「アダムはどこだぁ!」と捜し歩いている感じでしょうか?
ここで皆さんは「え?」と思いませんか?
「神」が自分で作った世界の中に入り込むのは、まあいいとして、その「神」が質量を持っていることになりませんか?
それなら「神」の体重は?身長は?
そもそもどうして「神」なのに被造物であるアダムの行方が分からないの?
事実、聖書には続きでこうあります。
「神である主は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。「あなたは、どこにいるのか。」」創世記3章9節
やはり「神」は、アダムの行方を知らないようです。この矛盾、どうやって説明します?
ってところで、今回は終わりにしたいと思います。このクリフハンガー的(「ええ!この先どうなるの?」と思わせるエンディングのこと)な終わり方は、私の中で生涯ベスト級作品である「帝国の●襲」へのオマージュです。これからも時々やりますので、よろしく。
次回の予告をしておくと、きっちり上記の疑問には回答しますから、ご期待ください!