8月3日「神が抱いておられる熱い思い」

あなたがたに対して、神が抱いておられる熱い思いをわたしも抱いています。(コリントの信徒への手紙二 11章2節)

コリント教会に入って来た伝道者たちは、パウロの外見の弱々しさや説教のつまらなさをさして、パウロは使徒としての霊的な力を持っていないと中傷した。彼らは雄弁さや力強さを霊的な力として誇っていたようである。このような伝道者に魅せられる信徒たちもいて、教会に分派が生じた。パウロは教会を破壊する伝道者を偽使徒(にせしと)」(13節)と言う。信徒たちをキリストでなく自分に結びつけるからである。

パウロはコリントの信徒たちに向かって、彼らを花婿キリストと婚約させた介添人として、彼らが「キリストに対する真心と純潔とからそれてしまうのではないか」(3節)と心配を述べる。信徒は婚約という形でキリストと結ばれた者であり、終わりの日、結婚という形で結ばれるまで、キリストと誠実に向き合い、純潔を守らなければならない。ところが今、信徒たちは偽使徒にあざむかれて、キリストだけを愛する信仰を失いかけている。そして、偽使徒の言うなりになって、パウロが神の福音を無報酬で告げ知らせた」(7節)ことさえ、使徒ではないからだ、教会を愛していないからだと言う。ここまでわれたら、パウロのほうから見切りをつけてもよいはずである。しかし、彼は何度も手紙を書き、自分の足を運び、同労者を送ってかかわり続ける。なぜか。パウロの愛をコリントの信徒たちが知らなくても、神はご存じ」(11節)だからである。今日の聖句が示すように、神がコリントの信徒たちに対して抱いている愛を、パウロも抱いていることを神はご存じである。神が知っているということが、パウロの働きを支えている。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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