1月6日「私に付いて来なさい」

「私に付いて来なさい。人間をとる漁師にしよう」(マタイ4:19)

主イエスは、異邦人の多いユダヤ辺境の地ガリラヤで、「悔い改めよ。天の国は近づいた」(3:2)と宣(の)べ伝え、宣教を開始した。主イエスがガリラヤ湖の漁師たちに、「私に付いて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と招くと、彼らは網を捨て、父親を残して、すぐに主に従った。家族や生活の心配をすべて主に委ねて従ったのである。主イエスが説く「天の国」、すなわち神の恵みの支配にあずかるのは、主の招きに応えて従うことから始まる。

主イエスに従った漁師ペトロたちは、今日の聖句のように、「人間をとる漁師」にされたのである。主イエスの福音宣教は、神の前に失われていた人間を神の国に招く働きであり、弟子たちは主イエスの働きに参与する伝道者とされたのである。

今日、主イエスに従う者はだれでも、主によって「人間をとる漁師」とされる。キリスト者は皆、主と共に宣教の働きを担う伝道者である。特定の人だけが伝道者なのではない。主イエスに従う者は、幸せで平穏無事な人生を保証されるのではない。主イエスに従うとは、主の伝道の働きに加わることであるから、その人生には苦労が伴う。しかし、幸いなことにその人生は、いつも「私に付いて来なさい」と言われる主イエスが共におられる。だから、打ちのめされても倒されない。四方から苦しめられても、行き詰まらない。死の陰の谷を行く時も、災いを恐れない。主イエスに従う人生は、今も救いのために働かれる主のみ業(わざ)を見る人生、神の支配を信じ、神に希望をおいて生きる人生である。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

この記事もおすすめ