西アフリカのブルキナファソ東部のプロテスタント教会が1日、日曜礼拝の最中にイスラム教の武装集団によって襲われた。国防省によると、子どもと牧師を含む14人が射殺されたという。宣教団体SIM(Serving in Mission)に属する教会だった。
同国では、イスラム過激派組織による襲撃事件が相次いでおり、今年5月にも北部のカトリック教会がミサの最中、銃で武装した集団に襲撃され、司祭と信者5人が死亡している。また4月にもペンテコステ派のプロテスタント教会が襲われ、6人が死亡した。アフリカ戦略研究センターによると、同国でのこのような襲撃は過去2年間で4倍になっているという。
ブルキナファソは、日本の約70%の土地に2000万人弱が住んでいる(外務省)。中央情報局(CIA)の年次刊行物『ザ・ワールド・ファクトブック』によると、イスラム教徒61・5%、カトリック23・3%、伝統宗教やアニミズム7・8%、プロテスタント6・5%(2010年推定)。国内情勢は比較的安定していたが、近年、隣国マリなどから侵入したイスラム系武力組織によりテロが多発し、国内におよそ50万人の避難民を出している。
世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事は、アドベント(待降節)の第1主日に礼拝に集まった罪なき人々への襲撃を非難した。
「人々が命の危険を感じながら礼拝に出席するしかないとき、それは私たち家族への攻撃です。愛する人を亡くした人々、恐怖のうちに暮らし、信教の自由が脅かされて苦しむ人々、そして差し迫った絶え間ない危険にさらされている多くの人々に哀悼の意を表します」
バチカン・ニュース(英語)によると、地元のジャスティン・キエンテガ司教は2日、ブルキナファソの現状を分析して見解を語った。
「反政府勢力は、キリスト教徒とイスラム教徒が仲よくやってきた国で宗教間対立を起こそうとしていることは間違いありません。人々が暴力から逃れ、その後に残された土地の支配権を得るために、反キリスト教の攻撃を行う人々は恐怖を広めているのです」
「今年、ブルキナファソでは60人以上のクリスチャンが殺されています。しかし、欧米のメディアや政府は彼らの死をほとんど無視し、進行中の暴力を武器貿易に結びつけています。多くの欧米諸国には、明らかに暴力を継続させる何らかの理由があるのです。彼らの利益は私たちの生活よりも重要なのでしょう。欧米諸国は、これらの犯罪を行った人々を阻止しなければなりません。クリスチャンを殺すために使用する武器を売るのではなく……」
また司教は、「この地域の不安定な状況が、カトリック信者へのケアを大きく制限している」とも述べた。