日本で初めてとなるドラマ仕立てのオーディオ・ブック聖書アプリ「聴くドラマ聖書」(リンクをクリックすると試聴音声が流れます)のベータ版が9月、本格版が11月にリリースされる。「新改訳聖書2017」旧新約全66巻を有名俳優・声優が朗読。場面ごとにオーケストラによるBGMやさまざまな効果音も加わり、まるで目の前に登場人物が存在し、直接語りかけられているかのような臨場感が味わえる。
制作を手がけた日本G&M文化財団は、米国に本部を置くグレイス・アンド・マーシー財団(英語で「恵み」と「憐れみ」)の日本支部として2017年に発足した。創業者のビル・ファン氏が仕事に行き詰まっていたとき、聖書のオーディオ・ブックに何気なく手を伸ばしたところ、落胆した心に聖書の言葉がしみ込む経験をしたという。再び立ち上がったファン氏は、社会から疎外されている人たちが聖書の言葉を聞いて人生を生き抜く力を得てほしいと、この財団を設立し、さまざまな活動をしている。
本アプリは、iOSやアンドロイドのスマートフォンに対応(容量は約16ギガ、再生時間は約150時間)。一人でも多くの人に聖書に触れてほしいという願いから、ダウンロードは無料。音声を聞きながら聖書本文も読むことができるほか、ナビゲート機能やマーカー機能、シェア機能なども搭載されるという。
配役数は1300以上に及び、総勢150人のキャストが熱演。録音には約1年2カ月の時間を費やしたという。
「出演者の方々が少しでもイメージしやすいよう配慮しましたが、短い時間の中で分かりやすく説明することに苦労しました。声優の方々も、ご自身の担当する人物や時代背景について調べてくださったりと、とても謙虚な姿勢で、一言ひとことに心を込めて読んでくださいました」
そう語るのは、監修を手がけた牧師の内野聖子(うちの・まさこ)さん。
また、同財団理事長の文俸柱(ムン・ボンジュ)さんも言う。
「『信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まる』(ローマ10:17)と書かれていますが、もともと聖書は声に出して読まれ、みんなで聞かれるための書物でした。旧約時代には、エズラが民の前でモーセの律法の書を読み上げ、みんなで悔い改めの涙を流し、喜びに満たされました。また新約時代には、パウロの書簡が各地の教会で読み聞かせられていました。
ただ、どんなに素晴らしいものを無料で配っても、それだけでは個人の生活に浸透させるのは難しいと思います。だからこそ、一人ではなく、聖書を一緒に聞くことが重要だと考えているのです。
本アプリの正式リリース後は、聖書を一緒に聞くキャンペーンとして、このアプリをグループでじっくりと聞き、理解を深めるために分かち合うためのコミュニティー『バイブル・クラブ』を定期的に開催する予定です。今後は、家庭礼拝やミッション・スクールでの礼拝などの場でもご活用いただけたら」