Q.礼拝に遅刻したところ、会堂内に入れてもらえませんでした。いくらなんでも厳し過ぎませんか。(20代・女性)
本当に厳しいですね。せっかく礼拝に行ったのにとてもショックだったと思います。でも、なんだかイエス様の話のようだとも思ってしまいました。「家の主人が立ち上がって、戸を閉めてしまってからでは、あなたがたが外に立って戸を叩き、『ご主人様、開けてください』と言っても、『お前たちがどこの者か知らない』という答えが返って来るだけである」(ルカによる福音書13章25節)というものです。
これは神の国についての話ですが、礼拝の行われている会堂に入るにもそれなりの心がけや、ふさわしい時というものがあるのかもしれませんね。
礼拝には、招詞から派遣と祝祷に至る大切な流れがあります。神さまに招かれ呼び集められた私たちが、賛美、説教、祈りなどを通して神さまと交わり、神さまの祝福を受けて新たな歩みへと遣わされていくのです。そうした意味合いを考えれば、やはり礼拝には遅刻しないことです。
とはいえ、やむを得ない事情で到着が遅れてしまうこともあります。その場合には、礼拝の流れや雰囲気を妨げないようにするといいでしょう。実際、祈祷や聖餐の時など、特に静けさが求められる時には、戸を閉め会堂内に入るのを少しお待ちいただく教会もあるようです。
もしかすると、あなたが遭遇したのはこうした場面だったのではないでしょうか。それにしても、教会生活のベテランばかりではないのですから、掲示を出すなどしてそれを説明する必要はありますよね。
冒頭のイエス様の話、「後の人で先になる者があり、先の人で後になる者もある」と締めくくられています。礼拝でも最前列が空いている傾向があり、後から着いた人が、先についた人の前に座ることになるかもしれません。でも、恵みというのはいつでも私たちには計りしれないものです。それをいただくのに遠慮はいりません。遅刻しないよう心がけるのはもちろんですが、ぜひタイミングを見計らってそっと会堂内に入りましょう。
*本稿は既刊シリーズには未収録のQ&Aです。
やました・ともこ 福島県生まれ。同志社大学大学院神学研究科博士課程(前期)修了