インドで宗教的緊張高まる マザー・テレサの慈善団体に対する海外からの資金をブロック

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ヒンズー教の右派グループが牧師や教会を強制改宗させたと非難し、キリスト教徒が次々と攻撃される中、インド政府は、マザー・テレサの修道会が現地の法律の条件を満たしていないとして、外国からの資金を受け取ることを妨害し、困窮者のためのシェルターを運営する最も著名な修道会に打撃を与えた。米「クリスチャニティ・トゥデイ」が報じた。

内務省は12月27日の声明で、海外から資金を得ることを可能にするライセンス更新のための同修道会の申請が、クリスマスに却下されたと発表した。同省は、同修道会の更新申請を検討している間に、「不利な情報」に出くわしたという。詳しい説明はなかった。

この問題は、インドの一部の地域で、牧師や教会が人々を強制改宗させたと非難するヒンズー教右翼グループによって、キリスト教徒が次々と攻撃されたことをきっかけに発生。インド福音同盟の報告書によると、攻撃は特に南部のカルナタカ州で顕著であり、今年に入ってからキリスト教徒に対する脅迫や暴力が40件近く発生している。

これに先立ち、西ベンガル州のママタ・バネルジー州首相は、政府が同修道会の銀行口座を凍結したとツイートし、怒りに火をつけた。しかし、政府はすぐに、いかなる口座も凍結していないと弁明した。

同修道会は声明で、政府が口座を凍結していないことを確認したが、外国貢献規制法(FCRA)の更新申請は承認されていないことを付け加えた。「したがって……この問題が解決されるまで、各センターに(海外寄付)口座の運営を行わないよう要請した」

12月初め、マザー・テレサが1950年にコルカタで始めた修道会「神の愛の宣教者会」をめぐり、西部のグジャラート州で、保護施設の少女たちが聖書を読み、キリスト教の祈りを唱えるよう強制されているとの苦情を受けて、調査中であることが判明した。同団体はこの疑惑を否定している。この修道会は、マザー・テレサが「貧しい者の中の最も貧しい者」と表現した、世界で最も貧しい人々の世話をする数百のシェルターを運営している。

インドはフィリピンに次いでアジアで2番目にカトリックの人口が多い国だが、約1800万人のカトリック教徒は、14億人近いヒンズー教徒の多いこの国では少数派に過ぎない。専門家によれば、ナレンドラ・モディ首相のヒンズー教民族主義政権のもとで宗教的緊張が高まり、少数派に対する攻撃がより頻発しているという。

マザー・テレサは1979年、ノーベル平和賞を受賞し、教皇フランシスコは彼女の死後20年経った2017年に聖人と宣言している。

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