LGBT+の尊厳守る超宗教の国際会議が発足 世界の聖職者、神学者たちが訴え

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性的指向やジェンダー・アイデンティティ(性自認)を理由とする差別や暴力を非難し、すべての国々に正義を呼び掛ける国際会議「The Global Interfaith Commission on LGBT+ Lives」が12月16日に発足し、LGBT +の人々の尊厳を支持する宣言文「すべての人々のいのちの神聖さと尊厳」を発表した。

宣言文は「私たちの教えのいくつかが不寛容を煽り、不公平を永続させ、暴力につながる抑圧的なシステムを生み出してきたことを認め」、深い後悔の念を示した上で、「多くの人々が家族や宗教団体、文化的コミュニティから拒絶され、疎外されている」ことを憂慮。「個人の性的指向、ジェンダー・アイデンティティ(性自認)、性表現を変えたり、抑圧したり、消したりしようとするすべての試み(一般的に「転向療法」として知られている)を終わらせ、これらの有害な行為を禁止すること」を求めている。

宣言文には12月20日までに、キリスト教、ユダヤ教、シーク教、仏教、イスラーム、ヒンドゥー教から、35カ国、400人を超える聖職者、神学者たちが賛同の意を表し署名。

16日には公式サイト(http://globalinterfaith.lgbt)も公開され、同日、「すべての人々のいのちの神聖さと尊厳」を主題とする会議が、イギリス・ロンドンの英国外務国際開発省で開かれ、Zoomを介して一般公開された。

宣言文の全文は以下の通り。


すべての人々のいのちの神聖さと尊厳

2020年12月16日

私たちは、世界中から上級宗教指導者、学者、信徒のリーダーとして、すべての人々のいのちの尊さと尊厳を肯定するために集まっています。

私たちは、あらゆる性的指向、ジェンダー・アイデンティティ(性自認)、性表現を持つすべての人間が、被造世界の貴重な一部であり、自然の秩序の一部であることを肯定します。

私たちは、多くの人々が神(神性を持つ者)と呼ぶ神の下(もと)に、私たちはすべて平等であり、よって、私たちが皆、互いに平等であることを肯定します。したがって、私たちは、すべての人が法の下で平等に扱われることを求めます。

私たちは、ある種の宗教的教えが時代を超えて、しばしば、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア、インターセックスの人々に深い苦痛と不快感を与えてきたことを、悲しみをもって認識します。

私たちは、私たちの教えのいくつかが不寛容を煽り、不公平を永続させ、暴力につながる抑圧的なシステムを生み出してきたことを認め、深く後悔しています。このことは、多くの人々が家族や宗教団体、文化的コミュニティから拒絶され、疎外されていることにつながり、それは今も続いています。

私たちは、宗教的な教えを口実にしていのちを傷つけられ、破壊された人々に対して赦しを求めます。

私たちは、愛と思いやりが信仰の基礎であるべきであり、憎しみが宗教に受け入れられることはないと信じます。

私たちは、性的指向やジェンダー・アイデンティティ(性自認)を理由とする犯罪化に終止符を打ち、LGBT+の人々に対する暴力を非難し、彼ら彼女らのために正義が行われるように、すべての国に呼びかけます。

私たちは、個人の性的指向、ジェンダー・アイデンティティ(性自認)、性表現を変えたり、抑圧したり、消したりしようとするすべての試み(一般的に「転向療法」として知られている)を終わらせ、これらの有害な行為を禁止することを求めます。

最後に、私たちは、偏見とスティグマの永続に終止符を打つことを呼びかけ、包括性(インクルーシビティ)と私たちの多様性という驚くべき賜物を祝うために、責任をもって協力していくことを約束します。

(訳=藤原佐和子)

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