彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない。
ミカ書4章3節(参考箇所同書4章1〜3節)
ミカは前8世紀南王国ユダで活動した預言者です。イザヤの後輩に当たります。イザヤは貴族の出身でしたが、ミカは農村の出身で預言には農民の視点が反映しています。戦火に曝(さら)される危機のさ中、彼は平和への願いを込めてミカ書を記しました。平和は遠く旧約の時代から今日に至るまで人類の願いです。この聖句が国連本部の壁面に刻まれているのも人類は長く平和を求め続けていることを表わしています。
ミカは、「終わりの日」に、主の神殿の山シオンに人々が集い、主の言葉を聞くときがやってくると告げます(1〜2節)。彼らに向かって主は、「彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」と平和を宣言されるのです。
剣は鋤に、槍は鎌となるとは、自然と触れて生きる、農民ミカの視点が反映しています。平和は自然に触れてこそ生まれることを意味する言葉です。自然は神の創造の御心の表れです。平和は御心によって造られたままに維持されることです。命のないものは御心によって造られたままに存在し、命あるものは御心によって造られたままに生き死にの営みを続けます。平和を争いに変えるものがあれば、それは神の御心に背く人の罪です。