7月26日 イザヤ書6章3節

 聖なる、聖なる、聖なる万軍の主。主の栄光は、地をすべて覆う。
イザヤ書6章3節(参考箇所同書6章1〜13節)

イザヤが預言者としての召命を受けたのは、紀元前742年と推定されます。その頃イスラエルは北王国イスラエルと南王国ユダに分かれていました。当時南ユダはウジヤ王の死後、支配階級の堕落、道徳的乱れ、偶像礼拝に毒されていました。また西にはエジプトがあり、東にアッシリアが力を振るい、小国ユダは両勢力に挟まれて天秤にかけるような外交政策を余儀なくされていた時代でもありました。

イザヤは、その時代に向かって神の言葉を告げ知らせた人でした。イザヤが望んだのは国の自立でしたが、そのためにはなによりも信仰の確立を急務としたのです。

イザヤの預言者としての信仰を支えたのは、神は聖であるとの信仰です。あらゆるものが揺れ動いているかのように見える時代にあって、動かないもの、絶対的なるもの、究極の存在を指し示すことがどれほど大切であるかを強調したのです。

さらに彼を支えた信仰がありました。やがてメシアがおいでになるとの信仰でした。渾沌として人々の精神状況、社会の不安定にあって、これらを告げる言葉はどれほど重要なことであるかは、今の時代においても共通するところがあります。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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