勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。
ヨハネ16章33節(参考聖書箇所同書16章25?33節)
主イエスは死を迎えられる前、弟子たちに向かって最後の説教をされました。ヨハネ十四章から十六章に至る訣別の説教といわれるものです。この言葉は、その説教の最後のしめくくりとなったところです。訣別の説教において、主は信仰がもつ本質を教えられたのでした。
主が教えてくださったこと、それはキリストを信じる信仰とは、すべてにおいて先取りの信仰であるということです。信じたから、勝利が約束されるといのではありません。勝利は前もってすでに約束されているのです。だからキリストを信じるのだと主イエスは教えられるのです。
「あなたがたには世では苦難がある」(三十三節)と弟子に言われます。苦難を乗り越えるために信仰をもちなさいとは、おっしゃいません。苦難はすでに克服されています。勝利の主が先立って行かれたからです。だから苦難があってよいのです。
なにがあろうと先に勝利が約束されているので、主を信じるのです。そこに勇気が生まれないはずがありません。勇気をもつために信じるのではありません。信ずれば勇気は自ずとついてくるのです。